ある時、お釈迦様が木陰で休んでおられたところ、

近くで30人余りの貴公子たちが夫人同伴で酒宴を楽しんでいました。

その中、一人の独身男が娼婦のような女を連れて加わっていました。

ところが、みんなの休んでいる間にこの娼婦は、一行の貴重品を盗んで逃げたのです。

目が醒めて驚いた一同は、懸命に探し回り、端座しておられたお釈迦様に尋ねました。

「私たちはある女を捜しております。

 このあたりを怪しい者が通りかからなかったでしょうか」

するとお釈迦様は、静かに言われました。

「事情はよく分かった。

 だが、その女を求めるのと汝自身を求めるのと、いずれが大事であろうか」

この言葉に、

“ああ、求むべきは己自身だったか”

と、迷夢から覚めた心地で、即座にお釈迦さまの説法を聞き、

仲間とともに仏弟子となった、と記されています。


自分が何に関心を持ち、何を追い求めて生きているか、

問いたださずにはいられない話です。


「彼を知り己れを知れば、百戦して殆(あや)うからず」

とは、孫子の兵法の言葉です。

また

「彼を知らず己れを知らざれば、戦う毎に必ず殆(あや)うし」

ともあります。


人生にも同じことがいえるのではないでしょうか。


私たちが、くる日もくる日も汗まみれに奮闘しているのは、幸せ求めてのことです。


けれども、私とはどんなものか、

わが身知らずでは、本当の幸せになれるはずがありません。


「汝自身を知れ」と古代ギリシャからいわれてきたように、

実に、最も分からないのが自分自身です。


100億光年の宇宙が分かっても、

30億の遺伝子が解読されても、依然として分からないのが私です。


“私”とはどんなものなのか、お釈迦様の教えに学びたいと思います。


◆ ひとりごと ◆


先週は、東京に行っていました。

なんと、高校時代の陸上部の先輩と20年ぶりに再会しました。


高校時代、所属していた陸上部の先輩から、

東京に行く2週間ほど前に、たまたまインターネット上で

メッセージをいただいたんです。


突然でビックリしましたが、

私もプロフィールを大々的に公開しているので、

知っている人は、案外、見つけやすいかも(笑)


先輩は、都内の某スポーツクラブの店長をしていました。


20年前の当時の私からすれば、将来、仏教講師をしているなんて、

想像もつかないですから、もちろん、先輩もビックリしたようです。


ちょうど先週、東京に行く用事があって、うまく都合がついたので

そのスポーツクラブに寄りました。


20年ぶりでしたけど、すぐわかりました。

貫禄がついてましたね。


短い時間でしたけど、それでもいろいろ話をしました。


御縁とは不思議なものです。

いただいた御縁、大切にしたいと思います。




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