江戸時代、寂しい心に一人泣いていたお軽(かる)という女性がありました。

今回は、そのお軽という実際にいた女性の話です。



カニの甲羅に似た山口県六連島(むつれじま)は、

海に迫る小高い山に、数十軒が肩を寄せ合っている。


江戸末期のこの島に、大森岩吉の次女として、お軽(かる)は生を受けました。


幼いころから気性の激しい、勝ち気な娘であった彼女は、

思ったことは遠慮なく口にし、行動に移す。

200年前の日本でそれは、美徳とはなりませんでした。


早くに亡くなった姉に代わり、

年ごろとなったお軽は養子を迎えることになりましたが、

どの若者に縁談を持ちかけても、体(てい)よく断ってくる。


調べてみると、「お軽の家へ婿に行かない」協定が結ばれていた。

男勝りの性格が、「女のくせに」と反発を招いたのです。


そんな密約を、だれより驚いたのがお軽本人。


“だれも分かってくれないのか”

という寂しさの一方で、結婚への憧れは一層つのったことでしょう。


「連れさえあれば、きっとこの心を分かってもらえるはず」


願いがかなって19の時、向井幸七を婿に迎えました。


島の男たちは、


「約束を破って、バカな奴」

「一生、尻に敷かれるぞ」


と、同情やら揶揄(やゆ)を浴びせ、幸七も、


「オレは泣く泣く、首に綱を巻かれて、

 引っ張ってこられたのだ」


と言い訳して、お軽を疎(うと)んじました。



一方、お軽は一変して善良な主婦となり、

愛されようと必死で家庭を切り盛りして、子宝にも恵まれました。


しかし、睦まじいように見えた夫婦関係も、やがてほころびが見え始めます。



島で作った野菜を、幸七が船で下関や北九州へ運んで行商し、

一家は生計を立てていましたが、次第に彼の足が自宅から遠のいたのです。


ある日、帰ってきた野菜船に幸七の姿が見えない。


仲間の、

「次の売り場を探してもらっているのじゃ」

の言葉を、お軽は疑いもせずに待ちましたが、次の船でも帰らない。


「銭勘定のため、また残ってもらったんじゃ」

仲間はそう言うが、実は夫は、出先に女性を囲い、

入り浸(びた)っていたのです。


そうと知りながら、お軽に一矢報いるつもりで、夫をかばう男たち。


知らぬはお軽ばかりなり。


だが、事はすぐに露呈し、激昂したお軽は夫の胸ぐらをつかみ、問い詰める。

幸七は白状しました。


(つづく)


■┓徒然なる ●┓
┗● ひとり言┗■

7日の読売新聞の編集手帳に次のような詩の一節が紹介されていました。


〈おつかいの とちゅうで/迷ってしまった子どもみたい/とほうに くれている…〉


詩人、工藤直子さんの詩『あいたくて』の一節だそうです。

新聞には、私たちは何かをするために生まれてきたとは分かっていても、

その「何か」が分からぬままに人は生きている、ということが書かれてありました。


今、自分が、やろうとしていることを、客観的な目で見てみたとき、

それが人間に生まれた目的なんだ、と断言できるでしょうか?



今、必死で受験勉強に励む学生は、

大学に合格するために、人間に生まれてきた?


うーん、何か違うような気がする。

ならば、大学に行くのは、社会で働く準備と思えば、

社会で働くために生きてるということ?


会社の利益をあげるために、人間に生まれてきた?

そうでないなら、自分が収入を得るために働くのだから、それが生きる目的?


いやいや、変だ。

生きるために働いているのに、働くために生きていたら、本末顛倒だ。


あれれ?

何のために生きてるんだろう?


・・・・・・・・・・

どんな行動にも目的があります。

たとえば、タクシーに乗った時。

いかに無口な人でも、まず行く先を告げるでしょう。

目的地がわからねば、どこへ走ればよいか困るからです。

むやみに車を走らせたら、時間とお金が無駄になります。

「なんで勉強しているの?」と聞かれたら、

「明日、試験があるから」

「資格を取るため」

などと答えるでしょう。

「どこへ行くの?」と聞かれれば、

「買い物」

「気分転換に散歩」

と言うように、行動には目的があるのです。

では、「なぜ生きるの?」と聞かれたら、なんと答えればよいのでしょうか?

(一万年堂出版『なぜ生きる』より)

・・・・・・・・・・


さて、明日は、富山県滑川市で、勉強会です。

昨年から続けてさせていただいている講座。

皆さんとお会いできるのが楽しみです。

(*^-^)


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