明治維新で活躍した勝海舟(かつかいしゅう)は、



ほととぎすの別名を用いて、人生をこう表しています。





「時鳥 不如帰 遂に蜀魂。人生すべてかくのごとしさ」



(『氷川清話』)



※蜀(しょく)……古代中国の国名





ほととぎすという鳥の名前には、



「時鳥」「不如帰」「蜀魂」など様々な漢字が当てられてきました。





時流に乗って羽振りのよい時は、「時の鳥」と書く「ほととぎす」です。





しかしそれはいつまでも続きません。







「門前雀羅」(もんぜんじゃくら)という言葉があります。



門前市を成す勢いの時は、世間は人垣を作ります。



ところが、いったん落ち目になると、手のひらを返したように、訪れる人もなくなり、



門前でチュン、チュンと雀だけが群れ遊ぶようになるという意味です。



そんな人生の黄昏を迎え、いっそ仕事を辞めて田舎に帰ったほうがまし、



と失望するのが



「帰るに如かず」



と読む「ほととぎす」です。







そして最後は「蜀魂」となります。



「蜀魂」とは、退位して死んだ古代の蜀帝の魂のことで、



寂しく死んでいくということです。





いずれも嘆き悲しむ声がほととぎすに似ていることから、当てられた漢字です。



栄枯盛衰は世の習い。



往事茫々(おうじぼうぼう)夢の如し。





「人生かくのごとしさ」と勝海舟は言いのけました。





そんな人生を生きる私たち、



何のために生まれ、何のために生きているのでしょう?





私たち人間の姿を、お釈迦さまの譬え話に学んでいます。



※例え話はこちら → お釈迦さまの譬え話




※たとえ話を動画でご覧になることができます。





お釈迦さまが譬え話の中で、



獰猛な虎に譬えられたのは、無常の風のことです。





隣の兄さんが死んだと聞けば、一時は驚きますが、



「いや、あれは肺病じゃったからナァー、ワシは健康だから大丈夫」



と油断をする。





また、向かいの花子さんが亡くなったと聞けば、一応は淋しく思うのですが、



「あれはアワテ者だから自動車にはねられたのだ。



 ワシは気をつけているから大丈夫」



と、まだまだと油断するうちに、猛虎は足音をしのばせて迫っているのです。





ひまわり日記・親鸞会の講師の一人はこんな人-後の世と聞けば遠きに似たれども






「後の世と、聞けば遠きに似たれども、



 知らずや今日も、その日なるらん」





徳川時代に有名な力士であった谷風という関取がいました。



ある日のこと、所用があって野原へさしかかると、向こうから小さな小僧がやって来て、



「関取、一番とろうか」



と、途方もないことを言ってきた。





「何じゃ、ワシを日の下開山と知ってのことか」





「知っていればこそ、一番取り組もうといったのだ」





「おのれ生意気な、サァどこからなりとかかってこい」





と大声でどなりながら取り組んだところが、この小僧、なかなか腕力がある。





満身の力を出したが、遂に谷風、草むらの中に投げられてしまった。



驚いたのは谷風。





「ヤァ小僧、しばらく待った。



 この谷風は天下無敵の日の下開山と、



 我も他人も許したものじゃが、



 おぬしはワシよりも一倍強い。



 一体全体、お主は何者じゃ。



 名前をきかせてくれないか」






「私は谷風よりも強い訳じゃ。



 あなたが谷風でも私は無常の風じゃもの」






といったそうであるが、こんな笑話の中にも不滅の真理が光っています。





なるほど、無常の風にかかってはどんな英雄豪傑、



日の下開山の谷風でもかないっこない。



既に、谷風もこの世を去っています。







バイク事故で九死に一生をえたタレントのビートたけしは、



その入院中の手記に、こう記しています。





「死というのは突如来る暴力なんだね」



(ビートたけし『たけしの死ぬための生き方』)





今日、交通事故で亡くなった人の中で、



「これが最後の朝食」



と思って、今朝、食事した人があったでしょうか?





まさか今日死ぬとは、夢にも思っていなかったに違いありません。





なるほど死は、いつやってきても当事者には「突然」です。



音を立てず、一人一人の背後に、すでに虎は迫っています。





無常の前では皆、同い年といわれるように、



幼い子を抱える母親にも、



一家の大黒柱の父親にも、



結婚間近の娘さんにも、



大学に入学したばかりの学生にも、



無常は、私たちの都合などおかまいなしにやってきて、



傍若無人に一切を破壊してゆきます。





無常が獰猛な「虎」に例えられたのは、



人間の力では、どうもがいても勝ちめのないものだからです。





21世紀を迎えた元旦の新聞の一面は、



「一家4人殺害」のショッキングなニュースで始まりました。





「家族に、新しい年は来なかった。



 20世紀最後の31日、



 東京都世田谷区で一家4人が殺されているのが見つかった。



 8歳と6歳の幼い姉弟にも手をかける残忍さ。



 近所の人々は『どうして』と声をつまらせた。



 玄関には家族そろって準備したしめ飾りが残された」



 (朝日新聞)





死の縁無量、とはいいながら、あまりにも悲惨な事件。



無常の嵐は、やむことはありません。







室町時代に活躍された



浄土真宗の中興・蓮如上人『御一代記聞書』は、



冒頭から衝撃的な勧化で始まっている。





「勧修寺の道徳、明応二年正月一日に御前へ参りたるに、



 蓮如上人仰せられ候、



 『道徳はいくつになるぞ……』



 と仰せ候なり」






明応2年(1493年)の元旦のこと。



勧修寺村の道徳という老人が、



早朝、新年のご挨拶に山科本願寺へやってきた。蓮如上人に、



「新年おめでとうございます……」



と決まり文句を申し上げると、意外にも、



「道徳、お前は、いくつになったのか」




と問い返されました。



よくご法話に参詣し、普段から親しくされている道徳の年齢を、



蓮如上人がご存じないはずがない。



あえて年齢を尋ねられたのは、聞法姿勢への大喝であったのです。



「いい年して、ぼんやり新年を迎えて、何をしているのか。



 年久しく聴聞(ちょうもん)しながら、



 信心獲得(しんじんぎゃくとく)しないまま、



 また、同じ心で新年を迎えているのか。



 一体、お前はいくつになったのか。



 無碍(むげ)の一道に救い摂られてこそ、



 長命したことがめでたいといえるのだぞ」






慈愛を込められた、厳しいお諭しである。



これは、道徳一人へのお叱りではありません。





出世本懐を果たすべく、



聞法精進しているすべての親鸞学徒の、決して忘れてはならない戒めです。





ひまわり日記・親鸞会の講師の一人はこんな人-法の道今聞き開け明日はなし






 法の道



 今聞き開け 明日はなし



 出る息入る息



 大無常








忙しい忙しいと、走り回っている間にも、



無常の殺鬼は念々に迫っているのが、生きとし生ける者の相(すがた)です。





「仏法には、明日という日はない」



と蓮如上人は斬り込んでいられます。





命は今日も待たず、明日をも待たないのです。





仏法聴聞に臨んでは



「明日はない。



 今日こそ阿弥陀仏の呼び声、聞き開かせていただくぞ」




の真剣な気持ちが大切です。





(つづく)





■┓徒然なる ●┓

┗● ひとり言┗■




「栗の木柱と後生願いに真っすぐなものはない」



と俗にいわれます。これは、



「後生を願って寺参りなどをする者に限って、



 実生活の中ではろくなことをしていないことをいう」



と『ことわざ辞典』に解説されています。





仏教の教えを聞き誤って、



「阿弥陀さまは、悪人がお好き」



「善はやる必要がない。やらないほうが良い」



と勝手に思って、良いことをやらないから、このように揶揄されたのでしょうか……。





これは、全く仏法の聞き損ないです。





言うまでもないことですが、仏教の根幹は、因果の道理です。



 善因善果



 悪因悪果



 自因自果




のいつでもどこでも成り立つ大宇宙の真理から導き出される結論は、



「悪を慎み、善を心がけなさい」



廃悪修善(はいあくしゅぜん)の教えです。





その仏教の真髄である浄土真宗・親鸞聖人の教えに、



善の勧めがないはずがありません。



仏教の教えを知らない人たちでさえ、悪を慎み善を励んでいるのに、



仏教の根幹・因果の道理を無視して、



善をやる必要がない、と言っているのが浄土真宗の悲しい現状です。





正しい親鸞聖人の教えを知り、光に向かって進ませていただきましょう。



(*^-^)






ペタしてね






皆さんのクリックのおかげで、ランク上昇中です。





本当にありがとうございます。







にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ
 今日も、あなたのクリックに感謝




人気ブログランキングへ
 すてきな一日をお過ごし下さい
 











★ミニまぐでメルマガ配信中!(ほぼ日刊です)





【昨日より今日が前進 言葉で親しむ仏教講座】





 携帯電話でも読みやすい1分で読める法話です。


 仏教に親しみを感じるいろいろなエピソードを、


 ほぼ日刊で配信しています。





 ちょっとしたことで悩んだり、落ち込んだりするのが人間。


 そんなに強いものではないですよね。





 だけど、ちょっとしたヒントで、昨日より今日、一歩でも


 前進できたら、きっとすてきな一日になるはずです。





 メルマガの登録・解除は、こちら
からどうぞ。





 携帯の方は、ここに空メールを送って登録が出来ます。


 QRコードをご利用下さい。


  ↓


 aM0094295@mobile.mag2.com





 ひまわり日記・親鸞会の講師の一人はこんな人-昨日より今日が前進






□━●━○━●━□

 ぴょんたの

  ひまわり日記

■━○━●━○━■





【mixi】
でも読めます☆ マイミク大歓迎です!!


 

【浄土真宗 親鸞会 公式ホームページ】



  親鸞会では、親鸞聖人の教えをお示しして、

  『正信偈』や『歎異抄』の意味をわかりやすく解説しています☆




親鸞会の仏教勉強会のご案内



  どなたでも参加できる無料の勉強会です☆




 ご相談・お問合せフォーム


  お気軽にお問い合わせください☆