>> 親鸞聖人の正信偈「一切善悪凡夫人 聞信如来弘誓願～」とは （１）
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次に「本願」とは「誓願」とも言われ、「約束」のことです。
「弥陀の本願」とは、阿弥陀如来がなされているお約束です。
阿弥陀如来は、漢字３６文字で約束されていますが、
その誓いの言葉を分かりやすく表すと、こうなります。
「すべての人は極悪人である。
必ず絶対の幸福に救い摂る」
すべての人を、金輪際助からぬ極悪人と見抜かれた上で、
必ず絶対の幸福に救うと誓われているのが阿弥陀如来の本願です。
このことを蓮如上人は、御文章に次のように書いておられます。
「十悪・五逆の罪人も、
五障（ごしょう）・三従（さんしょう）の女人も、
空しく皆十方・三世の諸仏の悲願に洩れて、
捨て果てられたる我等如きの凡夫なり。
然れば、ここに弥陀如来と申すは、三世十方の諸仏の本師・本仏なれば、
久遠実成（くおんじつじょう）の古仏として、
今の如きの諸仏に捨てられたる末代不善の凡夫・五障三従の女人をば
弥陀にかぎりて、『われひとり助けん』という超世の大願を発して、
われら一切衆生を平等に救わんと誓いたまいて、
無上の誓願を発して、已に阿弥陀仏と成りましましけり」
（御文章２帖目８通）
私たち凡夫は、「十悪・五逆の罪人」「五障・三従の女人」といわれるとおり、
悪を造り苦悩にあえいでいます。
大宇宙にまします仏方は、何とか救ってやりたいの大慈悲心を
おこしてくだされたのですが、残念なことに、私たちの罪業が
あまりにも重く、とても救済することは不可能だったのです。
私たちを捨てて逃げられた、つまり私たちは諸仏に見放されてしまったのです。
いかに私たちの罪悪が深重であるかが知らされるでしょう。
しかし、他人に嫌われるような子供は、なおかわいいの親心のように、
大宇宙の諸仏に見捨てられた極悪人なら、なおさら捨ててはおけぬと
大悲やるせなく、何とか救わねばならないと立ち上がってくだされたのが、
阿弥陀如来なのです。
このように私たちは、阿弥陀如来のお力によらねば絶対に助かりませんから、
お釈迦さまは一切経の結論に、
「一向専念無量寿仏」 （大無量寿経）
“阿弥陀如来一仏に向かい、阿弥陀如来だけを信じよ”
と教え徹していかれたのです。
「無上の誓願」ともいわれるように、
この上ない、素晴らしいお約束を、阿弥陀如来はなさっています。
どんな約束にも相手があります。
しかし、すべての人を相手に約束できる人はないでしょう。
これは、お釈迦さまはじめ大宇宙の諸仏にもできぬことなのです。
ところが、阿弥陀如来だけは「十方衆生」と約束すると仰せです。
十方とは大宇宙のこと、衆生とは生きとし生けるすべてのものですが、
私たちは人間ですから、「すべての人」ということです。
「すべての人を必ず救う」。
何たる広いお約束でしょう。
だから「弘誓願」（ぐぜいがん）といわれているのです。
その如来の弘誓願を聞信すれば、とは簡潔に言えば、
阿弥陀如来の本願に救われたならば、ということです。
では、弥陀に救い摂られた人は、どれほど幸せな身になれるのでしょうか。
親鸞聖人は、
“大宇宙の数え切れないほどの仏方から、
言葉を尽くして称賛される身になるのだよ”
と教えられています。
それが、
「仏は広大勝解（こうだいしょうげ）の者（ひと）と言（のたま）い、
是の人を分陀利華（ふんだりけ）と名く」
のお言葉です。
阿弥陀如来に救い摂られた人を、
お釈迦さまはじめ大宇宙の諸仏方が口をそろえて、
「一切経を体で読破した大学者だ」
と称賛されるということです。
それだけではありません。
次に、
「是の人を分陀利華と名く」
ともおっしゃっています。
分陀利華とは、白蓮華（びゃくれんげ）のことです。
泥沼に咲きながら、純白で、シミ一つないきれいな蓮の華のことです。
シミ一つないとは、心の中に、何の不安もない大安心を表します。
広大勝解者と褒められて大満足、
分陀利華で不安一つない大安心ですから、
阿弥陀如来に救われれば、大安心・大満足の身になれるのです。
>> 親鸞聖人の正信偈「一切善悪凡夫人 聞信如来弘誓願～」とは （３）
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