日曜日に、富山県射水市の親鸞会館 で御法話があり、
親鸞聖人の書かれた『正信偈』の一節についてお話がありました。
一切善悪凡夫人
《一切善悪の凡夫人》
聞信如来弘誓願
《如来の弘誓願（ぐぜいがん）を聞信（もんしん）すれば》
仏言広大勝解者
《仏は広大勝解（こうだいしょうげ）の者（ひと）と言（のたま）い》
是人名分陀利華
《是の人を分陀利華（ふんだりけ）と名く》
「一切善悪凡夫人」とは、すべての人間のことです。
「聞信如来弘誓願」の「如来の弘誓願」とは、
阿弥陀如来の本願 のことです。
それは大変広い誓いでありますから、
弘誓願（ぐぜいがん）といわれています。
お釈迦さま一代の教え、仏教は、
この阿弥陀如来の本願一つを説かれたものです。
このことは親鸞聖人が『正信偈』に、
次のように断言しておられるお言葉からわかります。
如来所以興出世
《如来、世に興出（こうしゅつ）したまう所以（ゆえん）は》
唯説弥陀本願海
《唯、弥陀（みだ）の本願海を説かんとなり》
この２行は、
「釈迦如来が、この地球上に現れられて
仏教を説かれた目的は、唯（ただ）、
『阿弥陀仏の本願』一つを説かれるためであったのだ」
と、親鸞聖人が断言されているお言葉です。
では、阿弥陀如来とはどんな仏さまなのでしょうか？
阿弥陀如来については蓮如上人が、
「ここに弥陀如来（みだにょらい）と申すは、
三世十方（さんぜじっぽう）の諸仏の
本師本仏（ほんしほんぶつ）なり」
と『御文章』にはっきり教えておられます。
お釈迦さまは地球上ではただ一人の、仏の覚りを開かれた方ですが、
大宇宙には地球のようなものが数え切れないほどあり、
無数の仏がましますと説かれています。
それらの仏を「三世十方の諸仏」といわれているのです。
よく知られているのは、大日如来とか、薬師如来、
奈良の大仏はビルシャナ如来と言われる仏ですが、
『阿弥陀経』には、東西南北上下の六方にガンジス川の砂の数ほどの
仏さまがおられると説かれています。
それらの仏も皆、十方諸仏の一人です。
「本師本仏」とは、本師も本仏も先生ということですから、
この大宇宙の仏方の先生だということです。
これはお釈迦さまが仰っていることで、
親鸞聖人も蓮如上人もそのように明らかにされています。
「弥陀如来は十方諸仏の先生である」ということは、
「大宇宙の仏方はみな阿弥陀仏のお弟子」ということです。
諸神の上が菩薩、菩薩の上が諸仏ですが、
それらはみな阿弥陀如来のお弟子です。
大宇宙のすべての仏方も菩薩も諸神も、阿弥陀如来のことを、
「偉大な仏さまだ、尊い仏さまだ、我らの先生だ」
と讃め称えて、手を合わせ拝まれているのです。
地球のお釈迦さまも、十方諸仏の一人ですから、
弥陀如来と釈迦如来の関係は、師匠と弟子、
弥陀如来を先生とするなら、お釈迦さまは生徒、
ということになります。
弟子の使命は、先生の御心を正確に、
一人でも多くの人にお伝えすること以外にありませんから、
お釈迦さまも４５年間、自分の師匠である阿弥陀如来の本願以外、
教えてゆかれなかったのだと、親鸞聖人は断言されています。
「仏教」とは、弟子であるお釈迦さまが、
先生である阿弥陀如来の本当に願っていられる御心、
阿弥陀如来の本願一つを、生涯教えてゆかれた教えであることが、
お分かりになるでしょう。
お釈迦さまが、弥陀如来の本願一つを明らかになされたように、
親鸞聖人９０年の生涯も、弥陀の本願以外には
教えられたことはありませんでした。
>> 親鸞聖人の正信偈「一切善悪凡夫人 聞信如来弘誓願～」とは （２）
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