【浄土真宗の歴史に学ぶ】
■山科本願寺建立(4)
山科本願寺の本堂が落成し、
あとは親鸞聖人の御真影を、
大津の三井寺(みいでら)から返してもらい、お迎えするだけ、となったとき、
「生首二つ用意しなければ、返さぬ」
との無理難題が……。
悩んでおられた蓮如上人のお姿に心を痛めた
堅田の源右衛門(げんえもん)は、
心にある決意を秘め、帰宅したのでした。
「どうしたのです。明かりもつけず……」
帰って来たのは、源右衛門の一人息子、源兵衛でした。
貧しい漁師ではあるが、父子そろって、仏法を聞き求め、
弥陀の本願を喜ぶ幸せな家庭でありました。
父は今日、蓮如上人のご法話を聴聞に行ったはず。
その父がふさぎこんでいる。
「蓮如上人に何かあったのですか」
「実はな、三井寺が御真影を返してほしくば、
生首二つ持って来い、と無茶苦茶な条件をつきつけてきたのじゃ」
「エッ!?」
「蓮如上人も困り果てておられる。
そこで、驚くなよ、源兵衛、ワシは、この白髪首を差し出すことに決めたぞ」
「お父さん!」
「こんな罪深い我が身を救ってくださった阿弥陀仏のご恩は、
寝てもさめても忘れられない。
ワシにとって、これ以上の御恩報謝の場はないのだ。
しかし、三井寺の要求は、生首二つ、あと一つがのう……」
「分かりました。お父さん。私の首をお使いください。
吉崎炎上の折、身を捨てて『教行信証』を護った
本光房了顕殿に、負けてはおれません」
「源兵衛、よう言うてくれた。
しばしの別れとなるが、弥陀の浄土で、再び会おうぞ」
御恩報謝の念に燃える父子の決意は固かった。
かくして、まず、父・源右衛門が、息子・源兵衛(24歳)の首を打ち、
涙をふりしぼって、三井寺へ急いだのでした。
親がわが子の首を打つ、それが、どれほど悲壮な決意であったことでしょう。
「これは可愛い息子の首、もう一つは、この白髪首でござる。
さあ、バッサリ切り落としてもらいましょう」
源右衛門の気迫のこもった真情に、さすがの三井寺も、たじろぎました。
返す言葉がない。
自らの無謀な要求を深く恥じ、御真影を源右衛門に引き渡したのでした。
11月18日未明、東の空が、ようやく明るくなり始めたころ、
源右衛門は、親鸞聖人の御真影とともに山科へ向かい、
21日からの報恩講(ほうおんこう)にギリギリ間に合ったのでした。
若き命を仏法に捧げた源兵衛の生首は、大津に葬られ、
今に至るまで、真宗人の鑑(かがみ)と仰がれています。
新築された山科本願寺での、初めての報恩講が目前に迫りました。
本堂ができても、周囲の工事は、まだ完成していません。
それでも、蓮如上人が報恩講を勤めてくださるとあって、
山科は、参詣者でふくれあがりました。
気がかりなのは、比叡山の動向です。
かつて、急速な発展をねたんで、京都の本願寺を破壊した僧兵たち。
はたして、再び、暴挙を企てているのでしょうか。
>> 蓮如上人に学ぶ 山科本願寺の建立(5)
(←クリックしてね)
皆さんのクリックのおかげで、ランク上昇中です。
本当にありがとうございます。
今日も、あなたのクリックに感謝
すてきな一日をお過ごし下さい
★ミニまぐでメルマガ配信中!(ほぼ日刊です)
【昨日より今日が前進 言葉で親しむ仏教講座】
詳しい案内は、こちら からどうぞ。
ここに空メールを送ると登録されます。
↓
□━●━○━●━□
ぴょんたの
ひまわり日記
■━○━●━○━■
▼ 日記は、希望するアドレスにメールで送信できます。
毎回、読みに来るのがちょっと面倒、という方は登録をオススメします。
解除もメール1本で簡単です。
アドレスは配信以外の目的で使用することはありません。
→【メール送信希望フォーム】
▼ 【mixi】
やってます☆
マイミク大歓迎です!!
▼ 【浄土真宗 親鸞会 公式ホームページ】
親鸞会は、親鸞聖人の教えを正しく伝えるための集まりです☆
参加される方の年齢、宗教、宗派は問いません☆
はじめての方に、安心してご参加いただくためにイラストでご案内☆
どうぞお気軽にお問い合わせください☆