文化庁 では、
平成7年度から毎年「国語に関する世論調査」を実施しています。
平成20年度の調査
で、
匿名性の高いインターネット掲示板などでの
言葉の使い方の問題点について、以下のような結果が出ました。
・攻撃的できつい言葉が多い(56.3%)
・若者言葉や俗語,流行語などが多い(42.5%)
・誤字・脱字や文章の間違いが多い(25.3%)
ネット掲示板で問題になるのが、誹謗中傷の書き込みです。
最近、知人に勧められて読んだ本
があり、いろいろ考えさせられました。
インターネットによる誹謗中傷は、
いろいろな社会問題を引き起こしています。
韓国で、ネットの誹謗中傷がきっかけで自殺した俳優のことが、
日本でもニュースになっていました。
日本でも、学校裏サイトなるものが、各学校に存在し、
隠語などを用いてサイトの存在を大人たちにわからないようにして、
陰湿なイジメを行なっている実態が報告されています。
芸能人のスマイリーキクチさんが、ネット上で誹謗中傷を受けていた件で、
男女18人が書類送検になったことは記憶に新しいでしょう。
これは、氷山の一角であることは、言うまでもありません。
その本の著者は、誹謗中傷の書き込みをするネットユーザーの心理について、
興味深いことを書いています。
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突然だが、あなたは立ち小便をしたことがあるだろうか?
女性は経験ないだろうが、
多くの男性はやむにやまれぬ事情で立ち小便をしてしまったことがあるはずだ。
家族や友人に
「いやぁ、昨日飲みすぎて我慢できなくなって立ちションしちゃったよ、ハハハ」
などと報告したら、
「バカね。ちゃんとトイレ行っておきなさい」
と言われておしまいである。
だが、これをブログで告白したら問題になるだろう。
特に、名前を一部から知られている人(芸能人や社長等)がブログで書いたら、
「通報しますた」
や
「軽犯罪法違反ですよ。人としていけないことです」
「なに犯罪自慢してるんだよw」
などのコメントがつけられ、
場合によっては「炎上」(コメント欄がネガティブコメントで埋まること)する。
立ち小便はけっして立派な行為ではないし、
立ち小便する人を咎めることは社会通念上、正しいことだ。
ブログで書く意味もあまりない。
しかし、わざわざ「軽犯罪」だと言って「通報」したり、
「人としていけないこと」だと注意するほどのことか。
そもそも、実際に立ち小便をしている人を注意できる人はなかなかいない。
(中略)
また、路上に座って喫煙する高校生を注意する大人など、
何年も見たためしがない。
このように、
リアルな場での「口論」や「怒声」、「注意」を見ることは滅多にないが、
ネットでは、人を咎めたり悪口を書いたり罵声を浴びせる人たちだらけである。
それこそ毎日のように、
「バカ」「死ね」「アホ」「くだらん」「クズ」「この低脳」「ゴミ」「よく人間やってられるね」
などの声があふれている。
これが同じ国で起こっていることか!
(『ウェブはバカと暇人のもの』光文社新書 より)
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他人がやっている悪いことを注意するのは、もちろん悪いことではありません。
ただ、それを自分には何の被害も及ばない人が、
過剰に追求したり、中傷めいたことを発言する傾向があると、
この本の著者は指摘しています。
上記の立ち小便がいい例でしょう。
近所にされた人は迷惑をこうむりますが、
他県の人がああだこうだと言って過剰に問題にするのは、変です。
鹿児島県で、子どもが壁に落書きをしたことを、
見ず知らずの東京の人が
「やめさせるべきだ!」
と息巻いて、言っているのはどうでしょう?
やっぱり、変です。
そんなことがネット上では、通常のようになされているというのです。
しかし、これだけネットの誹謗中傷が問題になったのは最近のこと。
もともと現実世界で、よく誹謗中傷をしている人が、
ネットでもやるようになった、というわけではないようです。
事実、日常生活で、誹謗中傷したり、されたりしている場面を、
私たちはどれだけ目にし、耳にすることがあるでしょう?
私自身の経験からすれば、ほとんどないことです。
ということは、これまで現実の世界では、
人前で誹謗中傷をしてこなかった人が、
インターネットをやるようになって、
誹謗中傷をするようになった、ということでしょう。
もしかしたら、いつも語っている友人や、会社の同僚が、
ネットでは、誹謗中傷の書き込みをしている常習犯かもしれません。
現実、学校で、仲良く会話をしている目の前の人が、
その場で、自分の誹謗中傷を裏サイトに書き込んでいたりする話を聞きます。
それに恐れて、疑心暗鬼になったり、会社を辞めたり、
転校を余儀なくされたり、果ては自殺したり、悲劇が繰り返されています。
ネットの匿名性は、良い意味でも、悪い意味でも、
自分の思いをそのまま伝えることを誘発する条件と言えるでしょう。
ふだん、なかなか恥ずかしくて言えない感謝の気持ちを伝える。
困っている人に、さりげなくヒントを与えたり、アドバイスをしたりする。
そのようなことであれば、
人々に喜びを与え、苦しみから解放されることになるのですから、
すばらしいことです。
しかし、私たちの心は、なかなかどうして、そのようには働かないことが多いのです。
「悪性(あくしょう)さらにやめがたし
こころは蛇蝎(じゃかつ)のごとくなり」
(なんとしたことか。ヘビやサソリのような心は、少しもやまない)
親鸞聖人
は、自分の心の実態を知らされ、このように告白しておられます。
ヘビを見れば、ゾッとします。
サソリを見たとき、おそろしく思います。
嫌いな人が苦しんでいると、いい気味だと思う心。
もっとひどい目にあったらいいと、思う心。
反対に、幸せな人を見ると、苦々しく思う心。
わが身ながら、イヤになってくるネタミ、ソネミの心。
他人の不幸を喜び、気に入らぬ相手は呪い殺す。
どれだけ醜い、恐ろしいことを思い続けていることか。
親鸞聖人が知らされた心の実相は、すべての人の心の真実でもあります。
こんな心が、ネットという媒体を縁に、噴出するのです。
そんな恐ろしいことを、
現実の世界では言ったこともなかった人が、
ネットの匿名性がそうさせるのか、
悪魔のような心をむき出しにさせ、
おそろしいことをやっている自覚もなくなるほどに常習化させます。
ネット掲示板に、誹謗中傷を
好き放題、書きたい放題、書き込んでいる人は、
おそらくは、もうその恐ろしさに自覚のなくなった人でしょう。
願わくは、いったん書き込みの手を止めて、
その書き込もうとしている内容を、自らの氏名を明らかにして、
公表できるか、自問自答してみたら良いと思います。
また、仏教は、因果の道理を根幹とする教えです。
善因善果、悪因悪果、自因自果。
善いことをすれば、善い結果、
悪いことをすれば、悪い結果が引き起こる。
自分の蒔いた種は、自分が刈り取らなければならない、
と教えるのが仏教です。
心で相手を切り刻み、恨み、呪っているその思いは、おそろしい種まきであり、
それをネットに書き込み、相手を傷つけることは、
恐ろしい行為をさらに重ねていると言えるでしょう。
蒔いた種を刈り取るのは、他ならない自分ですから、
無自覚とはいえ、後で自分の造った罪のおそろしさに
戦慄(せんりつ)するときが必ずくるでしょう。
よくよく因果の道理を知っていただきたいと思わずにおれません。
ひまわり日記では、過去に記事をアップしていますから、そちらをご覧下さい。
>> お釈迦さまの教えられた幸せの法則 (←クリック)
インターネットは、手段以外の何ものでもありません。
その本の著者も、このように言っています。
・・・・・・・・・・
あくまでも情報収集や情報伝達の効率的な道具として、
インターネットはすばらしい。
ただそれだけだ。
それ以上のものでもなく、以下のものでもない。
使う人間は、かつてFAXを使って満足していた私たちと同じ人間である。
しょせんは眠くなったら寝るし、営業途中でパチンコをする程度の私たちである。
インターネットを使うようになったからといって、
飛躍的に能力が向上したわけでもないし、
突然変異のごとく頭が良くなったわけでもない。
相変わらず我々はご飯を食べ、トイレへ行き、恋愛をし、死んでいく。
そして、人間には1日24時間しかない。
睡眠を取らなければ体調は悪くなるし、ひとりぼっちだとときどき寂しくなる。
インターネットがあろうがなかろうが、人間は何も変わっていないのである。
(中略)
私たちの人生、なんとリアルな場の占める割合が多いのだろうか。
これら人生の大部分を、占める要素にネットはどれだけ入り込めたのか?
大したことはない。
かなり入り込まれている人はヤバい。
もう少し外に出て人に会ったほうがいい。
なぜなら、ネットはもう進化しないし、ネットはあなたの人生を変えないから。
(『ウェブはバカと暇人のもの』光文社新書 より)
・・・・・・・・・・
インターネットは、私たちの生活に欠かせない手段となりつつあります。
いや、すでになっている人も多いでしょう。私もその一人です。
ネットの存在自体、幸福でも不幸でもありません。
それを使う人の心一つで、
幸せにする道具にもなり、不幸にする手段にもなります。
仏教を、親鸞聖人の教えを伝える手段として、
今、私はインターネットを活用しています。
しかし、本当に伝えようと思ったら、
インターネットでは伝わらないことも感じています。
本当に知りたい方は、ちゃんと足を運んで、聞くべきです。
教えをよくわかった人から、直接、話を聞くべきです。
親鸞学徒の皆さん、信心の沙汰を、大いにしましょう。
先日も、ふだんはネットで読んでくださっている方と、
直接会って、話をする機会がありました。
2時間ほど話をしましたが、
ネットで2時間読むのと、2時間話を聞くのとでは大違いです。
これまで、ネットで読んでくださっていた方とは、
何十人もお会いしたことがありますが、
話を聞いた方がよくわかる、という感想は共通しています。
ご縁があれば、大いに、仏法の話をしたいと思っています。
■┓徒然なる ●┓
┗● ひとり言┗■
今回は、読んだ本をきっかけに、
ネットの誹謗中傷を話題に、記事にしてみました。
そんな私ですが、実は、ネット上の誹謗中傷の記事は、
ほとんど読んだことがありません。
2ちゃんねる、というサイトもありますが、ここ数年は、ノータッチです。
だいぶ以前、興味本位でのぞいたことがありましたが、
気分が悪くなるだけで、読むのをやめました。
たとえば……、ということで考えたんです。
パソコンや携帯を持たない人は、ネットの誹謗中傷は無関係だな、と。
何が書かれてあるか、知ることがありません。
読むことがないのですから。
その人の生きている世界においては、
どれだけネット上に何が書かれてあっても、ないに等しいでしょう。
読むと、少なからず心理的影響を受けます。どんな人でも。
本当に読むべき大切な情報なら、ちゃんとリアルな世界で、
情報の根拠と共に耳に入ってくるはずです。
なので、ネット上の誹謗中傷、ウワサは、まったく気にしなくていいわけです。
「誰かが言っていた」
「そんなことがあるらしい」
「~と言われているようだ」
こういった情報に関しては、必ず情報源を確認し、
それがハッキリしない限りは、信ずべきものでない、
というのが一つの判断基準になります。
情報が氾濫する社会において、
本当に大切な情報を手に入れることは
至難の業と言ってもいいかもしれません。
あふれる情報に翻弄されないように、
気をつけないといけないな、と思う今日この頃です。
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