「生きる意味」について、今回も見つめてみましょう。
中学生の教育指導書に載っていた話です。
先生が生徒に向かって尋ねます。
先生「みんなー、お金持ちになりたいかー?」
生徒「なりたいで~す!」(ほとんどみんな)
先生「もし50億円もらえるなら欲しい人~!」
生徒「は~い」(ほとんど手を挙げる)
先生「そーかー。だけど、条件がありまーす。
みんなの人生50年分と引き換えでーす。 それでも欲しい人~!」
生徒「……」(しーん……)
まぁ、冗談のような話なんですが、でも、これは深ーく考えさせられます。
自分の人生50年と、50億円の交換条件で、
クラスの生徒の大半は、とっさの判断にせよ「50年の人生」を選びました。
単純に考えれば、50年の人生に、
お金に換えられない50億円以上の価値がある、と思ってのことでしょう。
これは、もっともなことですよね。
50億円を選んだ生徒があったとしたら、
「おいおい、金の方が大事かよ」
と突っ込みを入れたくなります。
ここで、さらに踏み込んでみます。
では、50億円にも換えられない人生のもっと大きな価値って何でしょう?
「そんなの、人それぞれじゃない?」
いやいや、それでは、曖昧なままで終わってしまいます。
ここで考えなかったら、一生考えないかもしれません。
踏み込んで、追求していきましょう。
まず、50億円という価値は、すごいですよ!
サラリーマンが退職までに稼ぐお金は、平均すれば、およそ2億円と言われます。
40年かけて2億円稼ぐとすれば、平均年収500万円という計算です。
でも、50年の人生を50億円と引き換えにした場合、
平均年収1億円と同じことになります。
実に、20倍!!
小学校、中学校、高校、大学と勉強するのも、大きな目的は、やはり仕事に就くためでしょう。
その仕事に就くのも、一番の目的は、お金を獲るためです。
お金がなければ、生きていけないのが社会だからです。
朝から晩まで働いて、私たちはようやく収入を得ることが出来ます。
働くために生まれてきたのではないか、と思うほどです。
働いた時間の分だけお金を手にしているのですから、
生まれたときに受け取った人生の時間と引き換えに、
私たちはお金を手にしているとも言えます。
1時間働いて1000円を手に入れた、ということは、
自分の命を1時間分売って、1000円を受け取った、ということです。
80年の命を切り売りして、欲しいものを手に入れているのだと言えるでしょう。
40年間、働いて2億円のお金を手にした人は、単純に言えば、
40年分の自らの命と引き換えに、2億円を手に入れた、ということになります。
ここまで聞くと、心がぐらつきますか?
「いやぁ、それなら、やっぱり50年と50億円とを交換した方が得だなぁ。
タイムマシンがあったら戻りたい」
いやいや、それとも
「何を言っているんだ。
誰が何と言おうが、人生にはお金に換えられない値がある!」
と言い切るでしょうか?
本当に、自分の命には、何百億、何千億円のお金にも換えられない
すばらしい価値があるんだ、とわかっていたら、
どんなに苦しいことがあっても「死のう」なんて思わないでしょう。
「20億円の借金をした」
となっても、死ぬ理由にはなりません。
会社の倒産ぐらいで自殺はしないだろうし、
いじめられたり、先生に叱られたぐらいで、
簡単に首を吊ったり、屋上から飛び降りることも出来ません。
人殺しの問題も絶えませんが、すべての人間の命に、
お金に換えられない尊い価値がある、とわかれば、
どうして他人の命を簡単に奪うことが出来るでしょう?
自殺しようとする人に対しても、「死にたい人は死んだらいい」などという意見も
出て来ようがありません。
3億円の宝くじが当たった友人が、目の前で、
その当たりくじを破り捨てようとするのを見たら、誰だって止めます。
他人のものだからと言って、
「本人の自由なんだから、捨てたかったら捨てたらいい」
とは思いません。
そのお金があれば、
災害で苦しむどれだけの人に支援物資を送ることが出来るか?
貧困で苦しむ地域の医療に役立てることも出来るでしょう。
渡米しなければ出来ない心臓の手術を受けようとする幼い命を
助けることが出来るかもしれません。
その値を知っているからこそ、止めずにおれないわけです。
自分の命であっても、その本当の意味を知らなかったら、
「人間に生まれて良かった」という真の満足は獲られません。
一時的に感謝できても、その思いも色あせてしまうのです。
親鸞聖人は、29歳のとき、人生の目的を果たされ、
本当の命の意味をハッキリと知らされ、
その生命の大歓喜を教行信証に書き残しておられます。
「噫(ああ)、弘誓(ぐぜい)の強縁(ごうえん)は
多生(たしょう)にも値(もうあ)いがたく、
真実の浄信(じょうしん)は億劫(おっこう)にも獲がたし」
主著『教行信証』(きょうぎょうしんしょう)の冒頭の言葉です。
「ああ……何たる不思議か、親鸞は今、多生億劫(たしょうおっこう)の永い間、
求め続けてきた歓喜の生命を得ることができた」
「噫」と言われているのは、かつて体験したことのない驚きと慶びの、
言葉にならない言葉です。
「あら辛と、言うは後なり、唐辛子」といわれます。
知らずに唐辛子を口にほうり込めば、「ああっ!」と思わず知らず叫ぶでしょう。
30年ぶりの旧友にバッタリ出会えば、「おぉー!!」と言ったきり、
しばらくは次の言葉が出てきません。
聖人の「噫」は、そんな程度の驚きや喜びではなかったのです。
それは次に、
「多生にもあえぬ弘誓の強縁にあえた」
と言われていることからも明らかです。
多生(=多く生まれ変わり死に変わりしてきたこと)にもあえぬことにあえたのです。
「弘誓の強縁」とは、苦悩の根元を破り、多生億劫の目的を果たさせる
強烈な弥陀の誓願のことです。
雨に「あった」といえばぬれたことであり、火事に「あった」といえば家が焼けたこと。
「弘誓の強縁にあった」とは、生まれてきた意味が分からず、
もだえ苦しんでいた親鸞聖人が、弥陀のお力で、
“ああ、生まれてきてよかった”と絶対の幸福に救い摂られたことの告白であり、
人生の目的完成の宣言なのです。
「真実の浄信」とは、人生の目的成就した歓喜の生命のことです。
それはもう、100年や200年求めて得られるような
ちっぽけなよろこびではなかったから、
「多生にもあいがたし、億劫にも獲がたし」
と言われているのです。
多生億劫求めても、得られぬものが得られたよろこびは、
言うこと絶えて言絶えて、「ああ」と言うよりありませんでした。
そして、くめども尽きぬ大海のように、どれだけ説いても説いても説き尽くせず、
幾ら書いても書いても書き足りぬ喜びを、主著『教行信証』や多くの著書に
書き残されています。
「『教行信証』全巻には大歓喜の声がひびきわたっている」
と文芸評論家・亀井勝一郎氏は驚きました。
その中に切々と、
「現在“人間に生まれてよかったと生命の歓喜を得て、
未来永遠の幸福に生かされる身になることこそが、
すべての人に共通の人生の目的である。
だからどんなに苦しくとも、この目的を果たすまでは生き抜きなさいよ」
と教えられています。
親鸞聖人の一貫したメッセージは、これ以外にありませんでした。
こんな人生の目的どころではない、多生億劫の目的を持つ生命だから、
「人命は地球よりも重い」といわれても、うなずけるし、
50億円とは比較にならない尊い値があることもわかるのです。
■┓徒然なる ●┓
┗● ひとり言┗■
ひさびさに、ZONEのヒット曲、「seacret base ~君がくれたもの」を聴いてみました。
「夏の終わり」ですね。
※ZONEのファイナルコンサートより
一般に、命という問題を扱うとき、あまりにも漠然としすぎて、
わからないのが正直なところでしょう。
最近も、脳死を死と認めるかどうか、臓器移植法について議論がありましたね。
「命」とはいったい何なのか、誰も何もわからないまま、いくら議論しても、
議論が議論にならないわけです。
仏教には、生命とは何か、人命はなぜ尊いのか、ハッキリと教えられています。
「信じる」とか「信じない」とか言う前に、仏教という教えにふれる機会が、
ほとんどなくなってしまったのは残念なことです。
勉強会に参加される50代や60代の方でも、これまで仏教の話を
一度も聞いたことがない、と言われる方が大半です。
もっと多くの機会を設けて、多くの皆さんが、
仏教の教えにふれることが出来るようにしたいと思います。
がんばります!
仏教に関心のある方、話を聞きたい方、お近くで聞けるところをご案内しますよ。
気軽にお問い合わせくださいませ。
(*^-^)
皆さんのクリックのおかげで、ランク上昇中です。
本当にありがとうございます。
今日も、あなたのクリックに感謝
すてきな一日をお過ごし下さい
★ミニまぐでメルマガ配信中!(ほぼ日刊です)
【昨日より今日が前進 言葉で親しむ仏教講座】
詳しい案内は、こちら からどうぞ。
ここに空メールを送ると登録されます。
↓
□━●━○━●━□
ぴょんたの
ひまわり日記
■━○━●━○━■
▼ 日記は、希望するアドレスにメールで送信できます。
毎回、読みに来るのがちょっと面倒、という方は登録をオススメします。
解除もメール1本で簡単です。
アドレスは配信以外の目的で使用することはありません。
→【メール送信希望フォーム】
▼ 【mixi】
やってます☆
マイミク大歓迎です!!
▼ 【親鸞会公式ホームページ】
親鸞会は、親鸞聖人の教えを正しく伝えるための集まりです☆
参加される方の年齢、宗教、宗派は問いません☆
はじめての方に、安心してご参加いただくためにイラストでご案内☆
どうぞお気軽にお問い合わせください☆