「煩悩は、私を“煩”わせ“悩”ませるものと書く」No.３７０

日曜日は、富山県射水市で御法話があり、

「正信偈」（しょうしんげ）のお言葉についてお話がありました。

浄土真宗のご門徒の皆さんであれば、

朝晩、拝読しておられる正信偈ですが、

「漢字ばかりで、意味がわからなくて……」

という声をよく耳にします。

正信偈には、

親鸞聖人９０年のメッセージがすべておさまっています。

「意味がわからない」ということでは、一字一涙の思いで書かれた親鸞聖人に

申し訳がありません。

よくよく学ばせて頂きましょう☆

そのお話の中で、「煩悩」（ぼんのう）について詳しく教えて頂きました。

煩悩とは、私たちを“煩”わせるもの、“悩”ませるものです。

一人に１０８つずつ煩悩がありますので、

これを仏教で、「百八の煩悩」と言われます。

除夜の鐘を１０８回突くのも、この煩悩の数から来ているんですね☆

百八の煩悩の中でも、私たちを特に煩わせ悩ませるものが３つあります。

これを「三毒の煩悩」と言います。

その最初にあげられるのが「貪欲」（とんよく）ですが、

ひと言で言えば、「欲」の心のこと。

欲と言っても、いろいろありますが、中でも代表的なものが５つあります。

これを「五欲」と言われます。

○食欲

○財欲

○色欲

○名誉欲

○睡眠欲

考えても見れば、朝から晩まで、これらの欲に煩わされ、悩まされる日々ですよね。

自分の過去を振り返ってもよくわかります。

学生食堂はセルフサービスなので、

カウンターに並んであるものを自分でトレーにのせます。

でも、ついつい考えてしまうんです。

「どれが大きいかなぁ……」

まぁ、大きさとして違っていても数グラム程度。

なのに、１ミリでもデカイの、１グラムでも重いのを

選ぼうとしてる自分がいました。

特に自分の場合は、フライ系(笑)

こんなことに悩まないといけないのも、食欲のなせるわざなのでしょうね……。

財欲もしかり。

「損をしたくない」という思いが強いから、

徹底的にお得な商品を選ぼうとします。

お！この店、安いぞ！　ん？　だけどアフターサービスが別料金か……。

となると、この店のほうが得？　いや、いかん、ポイントがつかない。

あ！　ここは、商品に付録がついてくるぞ！

おや待て、クレジットカードは使えないのか……。

くぅ……、どこが一番得かなぁ～。

と考えて１時間、２時間はあっという間。

時間給に換算すれば、２，０００～３，０００円は損してます。

色欲は、男女の欲なので、恋愛を経験したことのある人ならば、

思い悩んだり苦しんだり、その心に煩わされ、悩まされることを実感したと思います。

名誉欲には、振り回されます。

後輩が落ち込んでいたので、

「ラーメン、食べいこ。オレがおごるからさ」

と誘っておきながら、店に入った瞬間、財布の中身に気づく。

しまった！　財布の中、寒かった……。

今さら「やっぱり今度にしよう」なんて格好悪くて言えません。

なのに、口では、ついつい、

「さ、好きなもの、食べたらいいぞ」

と言ってたり……。心では思いっきり叫んでます。

（たのむから、一番、安いラーメンにしてぇ!!）

その思いが通じたのか、

「先輩、じゃぁ、普通のラーメンで」

（お～！なんていい奴なんだぁ）

と、心で大拍手してたりします。

何でこんなことに、手に汗握らないといけないのか。

「情けない先輩と思われたくない」

という名誉欲に煩わされ、悩まされる姿と言えるでしょう。

（本当に個人的な事例ですみません……）

睡眠欲は、ねむたい、楽がしたい、という欲。

朝起きて、布団から出るまでの格闘は、睡眠欲に煩わされる姿でしょう。

お昼ごはんを食べた後の、あの強烈な睡魔。

ぬぅぉぉぉ、と気力を奮い立たせて、午後の仕事や勉強に取り組んだことは