遅い時間に失礼します。
今日は、いろいろ忙しい一日でした。
さっき外に出たら、チラチラと雪が降ってました。
明日の朝は、積もっていないといいなぁ。
さて、今回も、お釈迦様に関するお話を2回に分けて紹介しましょう。
・・・・・・・・・・
寝息が耳につく。
女は寝返りを打ち、夫に背を向けた。何も知らずに眠る、彼の暢気がしゃくに触る。
この数日、まぶたは閉じることを忘れたようだ。
眠りたいと願うほどに目はますます冴える。まんじりともせず、白んできた空を恨めしく眺めながら、彼女は朝を迎えた。
名の通った婆羅門である夫の元には、国中から多くの若者が集い、切磋琢磨している。
師の貞淑な妻として、かいがいしく立ち居ふるまう彼女は、時に姉として、時に母のように、弟子たちから憧憬を集める。
だがありきたりの畏敬に、いつしか退屈を覚えていた。
"まだ若いのに、姉や母だなんて……私だって一人の女として見られたい"
人知れず不満を抱く彼女の前に、才知、弁舌、容貌、ともに優れたその青年、オークツマラは現れた。
いかなる過去の因縁か。
巡り会うべき人に会えた、と女は身を震わせる。
一方で、出会ってはならぬ相手と気づくのにも、さほど時間は要らなかった。
有閑夫人の退屈しのぎどころではない。
抗えぬ力で女は、美青年へのかなわぬ恋情に身を焼いた。
それは夫が、彼への寵愛を深めるのと歩を合わせるように、深みへはまっていく。
悶々と眠れぬ夜の、これが理由であった。
女はやがて、夫が近々、多くの弟子と遊行すると知った。
留守を任せられたのは、一人オークツマラ。降ってわいた"幸運"に、彼女はほくそ笑む。
"ただ、告白するだけでは夫にバレないとも限らない。危ない橋を渡る以上、彼には共犯者になってもらわなくては……"
ひそかに計らい、その日の来るのを待った。
呼び出した密室。少女のように胸がときめく。もう後には引けない。
秘めてきた愛恋の情を訴えると、物堅いオークツマラは身を硬くして後じさる。
なおも執拗に密通を迫るが、最後は断固拒まれ、不貞をいさめられた。
こうならぬこともないと、わずかに覚悟もしていたが、ここまでかたくなとは。
さすが女の身の恥ずかしさ口惜しさに打ちしおれ、すごすごとその場を立ち去った。
のぼせ上がった気持ちが急速に冷めると、彼の誠実は辱めとしか思えない。
次第に激しい憎悪が込み上げ、恐ろしい復讐をたくらんだ。
夫の帰宅を見計らい、女は渾身の芝居を打つ。自らの着衣を引き裂き、あられもない格好で床の上に打ち倒れた。
驚いた夫に問われるまま、不在中、オークツマラに不倫の恋を強いられ、こんな辱めを、と涙ながらに訴えた。
まさか──。
婆羅門は愕然とした。後継者と信じた愛弟子の所業とは、にわかには信じ難い。
だが数段上を行く妻の演技力と克明な作り話に、老師は激しい嫉妬の炎を燃え上がらせた。
こうなれば人師とて、ただの男。
平凡な一時的な復讐よりも、自滅に仕向け、オークツマラに永遠の苦痛をなめさせてやろうと考えた。
そこでさりげなく彼を呼んで命じる。
「おまえはもう、ワシのすべての教えを修得した。後はただ一つ、
この剣で街の辻に立って百人を殺し、
一人一人より一本の指を切り取って、首飾りとするがよい。
さすれば、おまえの悟りの道は完備するであろう」
恐懼するオークツマラに、師は一口の剣を差し出す。悟りの道とはいえ、なんと残忍な……しかし師命に背くことはできぬ。
観念したように刀を受け取った弟子を見下ろした時、男の口元がわずかに緩んだ。
悲劇の幕が、こうして開かれようとしていた。
(つづく)
■┓徒然なる ●┓
┗● ひとり言┗■
今日(昨日)のお昼ご飯はカレーでした。
そのときのデザートが画像のみかんゼリー。
ヨーグルトみたいなのがのっていて、すっごくデリシャスでした。
ランキングに参加しています。
愛のワンクリックで応援よろしくです☆
↓

にほんブログ村

人気ブログランキング
□━●━○━●━□
ぴょんたの
ひまわり日記
■━○━●━○━■
[発行人]
森安秀邦(ぴょんた)
[Profile]
昭和50年4月13日、ロンドンで生まれ、5歳で日本へ。
英語はすでに忘れ、日本語で精一杯(笑)
小学生のときは、サッカーに没頭。
中学時代は、香港で過ごし、
高校時代は、陸上部(種目は400mH)でした。
スポーツも好きですが、美術系も好きです。
大学は工学部環境工学を専攻してました。
ベイクドチーズケーキと肉ジャガが大好物。
職業は、仏教(浄土真宗)の講師。
浄土真宗親鸞会の講師として法話や勉強会などで話をしています。
▼ よろしければ、お友だちにも紹介してくださいね (^^)/
配信希望は「ひまわり希望」とメールでお知らせ下さい。
→ h-moriyasu0193@nifty.com
▼ バックナンバーは、ここから見れます☆
→ http://ameblo.jp/go-go-pyonta/
▼ 親鸞会公式ホームページはこちらへ☆
→ http://www.shinrankai.or.jp/
▼ 仏教の内容を、もうちょっと深く学んでみたい、という方は、
気軽にお声をかけてください。
お近くの勉強会をご案内します☆
→ h-moriyasu0193@nifty.com
▼ 配信停止は「配信停止希望」とメールでお知らせください。
→ h-moriyasu0193@nifty.com
発行部数:93部(目指せ100部!!)