あ、もうね、最初に言っときますけど、
全っ然、期待なんてしてませんでしたから。
大粒の涙を流し、切なげに泣き叫びつつ縋りつく
っていう夢物語なんて、もう先週のリサイクルごみに出してやった。
チビの名前が呼ばれ、速やかに診察ブースへ。
接種寸前、看護師さん二人に囲まれフニャッっと一瞬ひるみ、
接種中にはウヒーンとベソをかくという思わせぶりな態度をとりつつも、
はい、終わりましたー、のドクターの一声で押し黙るという徹底ぶり。
んはっ…(鼻で笑いながら)
想定内だっつーの。(母、やさぐれ中)
ま、気を取り直して、と。
ユト 「さぁ、チビ!子供のうちはね、夢はデッカく見るもんなんだよ。
お母さんが手伝ってあげるからさー、一緒に夢見ようぜ!」
チビ (きょとん顔)
という訳で、買ってきました年末ジャンボ。
「ジャンボ、30枚、バラで」
万札をスパーンと出しながら、心の中で葉巻ふかす勢いで、
超ハードボイルドちっくに買ってみた。
ゴルゴユーティー。(俺の背後にたつんじゃねぇ)
ちょ、一億当選スペシャル妄想の前に、
余計なエネルギー使っちゃったよ。ヤバイヤバイ。
家に帰って少々マッタリ。
さー、チビ、始めようか。
まず、当たったらぁ…、と、妄想の扉を軽くノックしつつ、
指にガーゼ巻いてチビの歯茎グリグリして遊んでたら、
上の前歯、3本目と4本目が生えてるのに気付きました。
ちょちょちょちょちょちょっ!
え゛え゛ぇぇぇ
何、全部で6本になっちゃったの?
そりゃ、お母さん、「え」にも濁点つくっつーの。
でもさ、は、は、は、は、早すぎるんじゃ…。(どもりすぎ)
嬉しいような、なんだか微妙な心境ですよ。
ニョキニョキニョキニョキとタケノコかよ、
って、思わずチビに裏拳しながら軽く突っ込み入れてやった。
あぁ、赤子の成長スピードって恐ろしい。