「テキーラを」
誰かに追われでもしているのだろうか。
男は店のドアを勢いよく開け、カウンターへ足早に歩み寄ると、
一言だけそう呟き、出されたそれを一気に飲み干した。
口元に静かな笑みを浮かべたまま、店主は思う。
この男、
ずいぶんとまぁ、危険な匂いがする、と。
みたいなノリで、
TVをみている私のチチを勢いよく出し、(勝手に)
チビが見事な立ち飲みをかまします。
えーと、母親としてどうリアクションとったら正解なんですかね?
つかさ、ここ、ショットバーとかじゃないんですけどって言いたい。
それにどっちかっつーと、
テキーラよりカルーアミルクだよねウプププ(どうでもいい)
最近はそんな感じの王様ですが、
前回の記事でもチラリと出たように、
どうも「入った」ブーム到来中。
私の胸ぐらをグイッと引っ張り、
ミニカーやらミニカーやらミニカーを放り込み、
「ぁいった!ぁいった!」と、満面の笑みで、
達成感ブリバリ醸し出しながら語りかけてきます。
メッチャ至近距離で。
近いから。
顔、近すぎるから。
お母さん、焦点合わせずらいから。
ともかく。
何かね、今まで以上に輪をかけて楽しい。
なんつーか、リアクションがわかりやすくなってきて、
コミュニケーションが露骨になり始めたここ最近、
爆笑することが前より増えた。
うん、確実に増えた。
みんなが言う、子供の成長が楽しみってこういうことなのか。
だってさ、笑いの宝庫だよね。(え、そっち!?)
いやいやいや、もちろん普通の成長も楽しみですから。
でさ、つくづく今日も噛みしめる。
いやー、面白いモン産んじゃったなー私、みたいな。
こんな面白くて愛しいモン、他にないなー、みたいな。
これから先、どうか、私が死ぬまで楽しませてよ、みたいな。
そんな母の熱い想いを知ってか知らずか、
断りもなく私の鼻の穴に笑顔で指を突っ込んできます。
もー。
深追いヤメテ。
鼻血でるから。