前回に書いた多忙の件は先週末にピークとなり、やっと落ち着きました。
手元に置いたまま読む日を待っていた一冊の本を開くことができました。
今話題のベストセラー『君たちはどう生きるか』
漫画版で時短で読み終える算段です。
まだ半分も読んでいませんが、なるほど、今の時代にリバイバルヒットするのが納得いきましたよ。
初めて出版されたのが80年前ということで、描かれている時代背景は古いのですが、そこで語られる物事の真理は時代を超えて普遍であることを感じました。
子供向けというイメージで読み始めましたが、むしろこの本を読んで自分の視点を変えるべき大人がたくさんいるのでは?
この本を読んで子供に読ませたいと思う親の子には、この本は必要ないと思いますよ。この本のエッセンスを日頃から教育しているはずですから。
逆に、この本が必要な子供の親は見向きもしないと思います。だからこそ、学校の現場で採り上げることが必要でしょうね。
この本の主人公・本田潤一君が、失職中の叔父さんから色んな事を考える機会を与えられます。屋上からから見下ろした時、繁華街で多くの行き交う人々が世の中の一部を構成している事に気づき、そのことを「分子」に例えた潤一君。その発見に対して叔父さんは「コペルニクス級の大発見」であると評し、潤一君に「コペル君」とあだ名をつけました。
1473年2月19日生まれ ニコラウス・コペルニクス
コペル君のもとになったコペルニクス。
今日は誕生日です。
その時代に主流だった地球中心の「天動説」を覆して、太陽を中心に地球などの惑星が公転する「地動説」を提唱した。カトリックの司祭でもあり、天文学・経済学にも秀でていた天才です。
その生い立ちを検索してみると、子供の頃に父親を亡くした後、母方の叔父さんがコペルニクスの後見人として育ててくれたそうなんですよ。叔父の希望で司祭の職に就きつつも、天文学で大きな発見をしたわけです。
『君たちはどう生きるか』のコペル君と叔父さんの背景に、この史実が反映されているかはわかりません。
そのコペルニクスが経済学者としての功績が、 「貨幣の額面価値と実質価値の間に乖離が生じた場合、実質価値の低い貨幣のほうが流通し、価値の高い方の貨幣は退蔵され流通しなくなる 」という経済法則を提唱したことです。「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉で表されるそうです。
・・・経済学の事はさっぱりわからないので、何を言ってるのでしょう?
例えば、同じ価格の100円硬貨が2種類あったとして、価値の高い金属成分の含有率に差があるとした場合、その成分の多い100円硬貨を資産としてため込む人が増え、一方でその成分が少なくて価値の低い100円硬貨の流通量が増える、という事らしいです。
お金という実体は、石や貝殻に始まり金属になり、そして紙になりやがてプラスチックの板になった。やがて情報という実体のないものが価値を有する時代が来るんだろうね。
昨今の仮想通貨問題、金の亡者達の一喜一憂が世間にさらされましたね。仮想通貨という「悪貨」が蔓延しつつあるのかなと感じます。現金を手元にやり取りすることはいずれ廃れていくのでしょうね。仮想通貨が現金を駆逐し良貨として安心して流通する日は来るのでしょうか?
その時、ぼくたちはどう生きるか?
せめてお賽銭くらいは現金で投げ入れたいものです。