大阪フィルハーモニー交響楽団

第579回定期演奏会

【日時】

2024年6月21日（金）　開演 19:00

【会場】

フェスティバルホール　（大阪）

【演奏】

指揮：横山奏

ヴァイオリン：金川真弓

管弦楽：大阪フィルハーモニー交響楽団

（コンサートマスター：崔文洙）

【プログラム】

チャイコフスキー：ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35

ストラヴィンスキー：バレエ音楽「火の鳥」（1910年版）

※アンコール（ソリスト）

パガニーニ：24の奇想曲作品1 より第1番ホ長調

大フィルの定期演奏会を聴きに行った。

体調不良となったシャルル・デュトワに代わって、1984年札幌市生まれの指揮者、横山奏が出演した。

前半のプログラムは、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。

この曲で私の好きな録音は

●五嶋みどり(Vn) アバド指揮ベルリン・フィル　1995年3月ベルリンライヴ盤（Apple Music／CD／YouTube1／2／3）

●五嶋みどり(Vn) フロール指揮NHK響　2002年6月24日東京ライヴ（動画）

あたりである。

この曲の演奏は、五嶋みどりに限る。

以前聴いた彼女の実演も忘れがたい（その記事はこちら）。

この曲の華やかな曲調の裏に潜む孤独な哀しみ、彼女はそれを見いだし表現し得た、最初で最後の人であるように思う。

ただ、彼女の演奏は終楽章がアウアー版であるため、原典版で聴きたい場合には、ユリア・フィッシャーの盤を選ぶ。

今回の金川真弓の演奏には、そのような哀しみはなかったけれど、それでもチャイコフスキーコンクールのとき同様（その記事はこちら）、骨太な味わいがあって気に入った。

何より、安定感があるのが良い。

後半のプログラムは、ストラヴィンスキーの「火の鳥」（1910年版）。

この曲で私の好きな録音は

●ブーレーズ指揮ニューヨーク・フィル　1975年1月20日セッション盤（Apple Music／CD／YouTube）

あたりである。

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は五嶋みどりに限る、と先ほど書いたが、同じように、ストラヴィンスキーの「火の鳥」はブーレーズ＆ニューヨーク・フィルに限る。

「ペトルーシュカ」もそうだが、ニューヨーク・フィルを振ったブーレーズは、ストラヴィンスキーの曲の魅力を極限まで明晰かつ精密に照らし得た、最初で最後の人であるように思う。

今回の横山奏＆大フィルの演奏は、このように曲を細部まで明快に照らしたものではなく、全体的にあまり特徴のない印象となってしまった。

とはいえ、急な代役であることを考えると致し方あるまい。

「火の鳥」は長大な1910年版が演奏されることは少ないため、これが生で聴けただけでも貴重な機会だった。

（画像はこちらのページよりお借りしました）

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大阪フィルハーモニー交響楽団 第579回定期 横山奏 ストラヴィンスキー 火の鳥 ほか