古海行子 東京公演 ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第7番 パデレフスキ 幻想的クラコヴィアク 他 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

古海行子 公開録音コンサート

パデレフスキ国際ピアノコンクール 入賞記念公演

※ライブストリーミング配信

 

【日時】

2020年9月22日(火・祝) 開演 14:00 (開場 13:30)

 

【会場】

東音ホール (東京・巣鴨)

 

【演奏】

ピアノ:古海行子

 

【プログラム】

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第7番 ニ長調 Op.10-3

パデレフスキ:6つの演奏会用ユモレスク Op.14 より

   第4曲 「ブルレスカ」

   第5曲 「ポーランド風間奏曲」

   第6曲 「幻想的クラコヴィアク」

 

 

 

 

 

下記リブログ元の記事に書いた古海行子ピアノコンサートのストリーミング配信を鑑賞した(動画はこちら)。

公開録音とのことで、コンサート終了後も視聴可能である。

 

 

最初の曲は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第7番。

この曲で私の好きな録音は

 

●リヒテル(Pf) 1960年10月28日ニューヨークライヴ盤(Apple MusicCD

●キム・ジュノ(Pf) 2015年11月浜コンライヴ盤(CD)

●プーン(Pf) 2017年11月17日私家録音(動画

 

あたりである。

曲全体をがしっと掴むように力強いリヒテル、より線が細く爽やかで初期ベートーヴェンらしいキム・ジュノ、優美で軽やかなプーン。

今回の古海行子は、これらに匹敵する一級の演奏。

爽やかでまっすぐな解釈という点ではキム・ジュノに似ているが、テクニックの確かさは一段上を行っており、急速なパッセージの安定度はロルティ盤やエル=バシャ盤、レヴィット盤などにも劣らない。

また、抒情的な味つけを少し加えるキム・ジュノに対し、古海行子はあくまで古典派作品らしい禁欲的なアプローチとなっている。

テンポ変化もほとんどなく、「遊び」の要素は少ないが、ロルティ盤やレヴィット盤に感じるような様式上の違和感がないのが良い。

 

 

次の曲は、パデレフスキの「6つのユモレスク」op.14より第4~6曲。

彼女がパデレフスキコンクールで弾いた第1、3曲は大変見事なものだったが、今回の第4~6曲も期待通りの出来。

彼女ならではの歯切れのよい明晰なタッチが、19世紀に数多生み出されたロマン派の性格的小品の群れの中に埋もれかねないこれらの曲に、清涼な光を当てている。

 

 

最後のプログラムはシューベルトのピアノ・ソナタ第21番だが、残念ながら公開録音には収録されていない。

いつか聴いてみたいものである。

 

 

 

 


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