あの日の帰り道の満足感が嘘のように


日に日に欲が膨らんでいく



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あれから、どうもダメでした。


何度も何度もTさんとのことを思い出してしまって、


またTさんと二人で会いたいという欲が、


また触れたいとか、触れてほしいとか、


嫌な欲が、どんどん大きくなってきました。



でも、いざ店に行っても、Tさんは今までと変わりなく。


そりゃ当然、営業時間中は変わりないのはわかるんですが、


営業時間前にお店を覗いて、二人になったときも、


何事もなかったよーに


ホントに何事もなかったかのよーに


彼は振舞うのです。



そりゃ仕事の前だし、


もう頭が切り替わっているのかなとも思うのですが。


さっすが大人だなーとも思うのですが。


なんか拍子抜けな感じがして。


変に色々考えてしまっている自分が恥ずかしいような気がして。


さらに、やっぱり気の迷いだったのかな~とか考えたり、


彼はあんなことしてしまって後悔してるんだろーかとか思ったり。


彼にとっては何でもなかったのかなーとかも思ったり。


でも心のどこかで、


「また」


を期待している自分がいるのです。




数日後、耐え切れずメールしてしまいました。


Tさんと話がしたいから、お店が閉まった後行っていいですか、と。


結果、「今日は忙しくないのでお店閉めるのは遅くならないけど、

明日朝一で保育園に行かないと行けないから帰りますね」とのこと。


いや、そりゃしょーがないですよ。パパだもの。


つーことでその日はあきらめました。


でも、あの日のことについてTさんと話すことはあきらめない。


なかったことにできるほど、私は大人ではないので。


結局Tさんにとって、あれが何だったのかだけ、どうしても聞きたかったのです。


だから、閉店近い時間にお店に行って、最後まで粘るしかない。


どーでもいいときだけフットワークが軽い私ですので、とある土曜の晩、私はお店に向かいました。