ママと並んで、NHKドラマスペ 白洲次郎 を堪能。
中学生の頃から、耽溺していた大好きな白洲夫妻。
その洗練された文化水準に触れるのが楽しくて、
貪るように著書を読んだけれど。
実は当時はいまひとつ、
失礼ながら文章は清冽さを書いていたような記憶があったのですが。
改めて読み返してみたいなと思うほど、美しいシナリオでした。
伊勢谷友介さんの英国英語も、中谷さんの英語も美しいし、
お2人の衣装も素敵。
スーツはぴったりの英国テーラー。正子さんの絣も美しく。
言い回しや、リリックスも美しくて。
海外を含め、ロケも絶妙で、車も本物。
そして、白洲ファンなら誰もが知るいくつかの現存するポートレイト。
それらを忠実に、写真と同じカットで場を繋いだシーンが妙義!
痛く気に入ったのが、海辺でのプロポーズシーン。
Romanticなうえに、お2人を象徴している距離感。
冬の海を見ている正子。
次郎は彼女を背後から自分のコートで包み込み、
無言のまま抱きしめたその手で、左の薬指に指輪を。
それに気付いた正子は無言のまま次郎から離れ、
波打ち際を歩き出す。
この距離感さが、お二人らしくてまた素敵。
今まで見た中で最高のプロポーズシーン。
次郎が好きで好きで、一目惚れしてしまったことは臆面にも出さず。
クールに装い、ひとり満面の笑み。
プロポーズに舞い上がっちゃうような女子だったら。
次郎は惚れこまなかったでしょう。
最上の男に選ばれるには、最上の男が惚れ込む要素を持った女でなくてはいけません。
玉の輿を狙う女子諸君。ぜひとも、参考に。
'You are the fountain of my inspiration and the climax of my ideals'
美しい。
わたくしも、そんな男子を見つけたい。
さらには、次郎さんの人生のテーマ、「Nobless Oblige」。
「すべて多く与えられた者は、多く求められ、多く任された者は、
更に多く要求される。」という、新約聖書の
「ルカによる福音書」12章48節)に由来しているわけだが。
これって、武士道にも通ずるなあ。と改めてふと咀嚼。
道徳大系としての武士道とは
「君に忠、親に孝、自らを節すること厳しく、下位の者に仁慈を以てし、
敵には憐みをかけ、私欲を忌み、公正を尊び、
富貴よりも名誉を以て貴しとなす」
上に立つ者。その立場を何より理解し還元すべし。
数年前。古書で武士道の書物を買ったら。
なぜか帯に叔父が書評を記していて驚いたっけ。
もう一度、武士道も読んでみよう。高貴なくして、人格有らざる。
あっという間に3日間。すっかり惹きこまれてしまいました。
後で、DVDに取ればよかったなぁ。と思う次第。嗚呼、もう一度観たい!