仕事をちょっとお休みすると。TVを観る機会が増えます。普段観ない分、新鮮です。

ACLや世界バレーを観て、安易に涙を流したりします。

1日テレビ鑑賞すると。ヘビロテCMは、Softbankと、TSUBAKI 。特に、「白TSUBAKI」は凄まじい。

「世界中で輝いている日本女性」をテーマに、日本を代表する旬のA-CLASSタレント乱用。歌はSMAP。

日本での撮影は広末涼子Ver.のみ。ロケはNYC、Milan、Florence、Salt Lake、LAにて敢行。

(ちなみに私はこのネタをボスと話した際、普通に碧井そらと言ってしまった・・・)


SofbankもTSUBAKIも、基本コンセプトは同じ。「幾ら使ってもいいから、イッチバーンになりたい!」

でしょう。だから素人目にも、「お金かかってるなあ」とお口あんぐり。パワーゲームごり押しですね。


Softbankに関しては、先日もちょっと書きましたが。このバブルCM、あくまで素人的に色々な意味で、

非常に旬の要素満載に感じるので徒然に。

かなり前に書いた文章、長いので放置していましたが、

内容で3つに分けてみました。


トイレタリーシャンプーと言えばずっと
売れ線人気は"Lux SuperRich "や""Mod's "

"Vidal sasson"と言った海外市場共通製品であり。

外人さんがふわふわの髪を揺らす広告が主流だったけれど。


05年、チャンツイイーを起用した"ASIENCE "一大ブーム。

部門トップに君臨、アジアンビューティ王国となる。

俄か、Pantene等も黒髪ストレート主張の時代に突入した。


P&G、花王に出遅れた資生堂は、「メガブランド戦略」を推進。

乱立する社内ヘアケアブランドを整理統合し

社運を賭けたメガ"TSUBAKI"誕生。

満を持し、流行の「アジアン・ビューティ」に啖呵を切る形でロンチ。

成功例である「アジア」→「日本」にターゲットを絞り込む。

世界はどんどん狭くなり、「美しい私」にまで落とし込まれる。


スーパーモデル、オスカー女優より、数と知名度と露出で席巻。

実は果てしなく現実離れしているタレントに、親しみやすさ演出。


Followerでありながら、資生堂らしいTop戦略。

金持ちドラ息子戦略。とでも例えましょうか。

イイトコドリ!力ずくで欲しいものは奪う!

そしてパワーで圧倒、上書き!!


これでもかと、A/BTL双方で垂れ流した結果、

発売数週間で市場シェアを28.9%と圧倒的に伸ばし、

ついにヘアケア部門にて悲願の首位奪取。

(by日経テレコン 2006年4月28日号)。

以来シャンプートップブランドとしての地位を確立し、

第2弾の白TSUBAKIへと至る旭日昇天の勢い 。




さらに。


ブームに乗っかる完全フォロワー=クラシエ"ICHIKAMI"登場。

ASIENCEも、スーパー国民的美の象徴、後藤久美子を起用し、

巻返しを図る。

菊池凛子さんがオスカーにnominateされたことも手伝い、

一気に盛り上がる、黒髪耽美ブーム今後に期待。


そしてプロモーションも、右脳的感覚手法の旬。

色、明朝体で、「古きよき日本」のイメージを喚起。どちらかと言えば和風な女優を起用。

「日本の女性は美しい」と命題だけをを残し、BodyCopyはなし。具体的なブランディングは、消費者に一任。

要するに、そのシャンプーを手に取った日本の女性=あなた=美しい。という勝手な思い込み戦法。


従来のMassMarketing手法では、詳細優位性(機能や成分等)を示し、(どんだけ他よりいい製品か語る)

受け手には「左脳的」な優劣判断を期待することが多いのだが。

全体像のみを漠然と見せ、高感度と好き嫌いで判断させるのは「右脳的」マーケティング手法なのかも。

「何となく」「意味不明だけれど」引き込まれてしまう製品には、離れる理由も無いから。(男と同じです)


大前健一さんの著書にもあったが、これからは「右脳」旬時代となるらしいが。

この右脳的な戦略がどこまで成功するのか?

ただ、このTSUBAKIとWhitePlanの成功例を見る限り、圧倒的なマーケティング資源の導入を要する。

力のないブランドは、着手すらできない。結果、成功事例が劇的に増えることは無いのかもしれない。

でも。差別化ができなくなったタフマーケットにおいては、BlueOceanに次ぐ劇的な手法にも思える。

差異であるプロダクトの特徴を切り捨て、全体的なイメージを「ばっくり」と伝えてみるという手法は、

世間の通俗イメージを刷新できる力量があるなら、いいのかもしれない。


次回は、広告と製品について。。。