日曜の朝。時差が抜けず、早起きのわたくしに、見知らぬ番号で鳴り響く一本のコール携帯


応答すると、それは友人。電話、変えたの?と思いや


「携帯、マンションの排水溝に落とした!コンクリの下!!拾うの手伝って・・・・」


ええと。いいんだけどね。もっと、近くの誰かに頼んだ方が早いのでは・・・・。


そう思いながらも、放ってはおけず。支度をし上原へ。

マンションの前に車を止め、どこから仕入れたのかバールを手にする友人を見て苦笑。


携帯は既にしっとりと、と言うよりどっぷりと泥水に浸っているが、無事奪還。

僅か所要時間20分。


来た意味、あったかしら。

あまり助けにならなかったと思いつつ、空腹を感じとりあえず一息つくことに。

久々に、マルガメ に行きたいなーと恵比寿にGO。私、無類の饂飩好きです。

釜揚げうどんと天麩羅、厚焼き玉子で満たされる。日本のご飯は美味しいなあ。



友人と別れ、帰途。ふと思い立ち、1人お墓参りに。


お彼岸も終わりの日曜日。雨上がりのゆるい午後、墓苑は人気もまばら。



既に先日訪れているため、特に洗う場所もなく。

お清めをし、お花を足し、お線香の向こうに、手を合わせ心静める。


少し、気分が落ち着いた。



広い墓苑の中を車で走ると。ふと、2人で歩いたアーリントンが蘇る。


まだ、手を繋ぐことさえなかったあの時。

歩く道すがら、手が触れると電気が走ったかのように気分が高揚したあの時。

まだ、2ヶ月も経っていない。


何一つ変わらない私と、全てが変わった私を包む環境。


ぼんやりと、ほころんだ桜の花を見遣り、頭を現実に切り替える。


そう。最近小さなことをここに書いている自分に気がついた。

毎日、毎日。一日中5回も10回も電話、メールをした。

鳥の声を聞き、リスを見たり、雨が降ってきたり、転んだり、笑ったり、怒ったり。

すべてのことを、他愛も無いことを話した日々。

そんな小さな共有は、何と楽しいことなのだと。何と幸せなのだと語り合った日々。


今、私には小さなことをついつい報告したくなってしまう習慣が抜けず

それを伝える相手がいないことに気づいた。だから、独り言としてここに書いているのだ。

意味もなく、ハンドルを握る手が震えた。

意味もなく、静かになったはずの心が震えた。