私には、好きな人がいます。

以前、別のTopics でも触れましたが、好きな人には手も足も出ません。

自分からアクションなんて無理。挙動不審、意識過剰。チキン。いつもそうです。

ええ、知っております。全てにはタイミングがあり、逃すと、二度とは戻らない。

でもね、無理なの。一歩踏み出す足が、硬直するんです。

臆病な私。これには訳があるので、そのお話は、また今度。


とにもかくにも。だから、Platonicなんです。ハグハグするので精一杯。


先週、Sprout を観たくて、波乗りさんの彼に、声をかけた。が、敢え無く敗退。

「ごめんよー。月末までは忙しいんだよー。時間が取れませーん!」

と、私の心と裏腹に、いたく軽い、明るいメールが届いた。


「ちぇっ。つまんないの。いいもん。」


すっかりいじけ、意気消沈。そのまま、恐ろしくて連絡もせず日々が過ぎる。



この彼。出会いは1年前。彼は都内在住&勤務でありますが、私の家の近くに、趣味でお店を出しています。わたしの親友が、彼の共同経営者の奥様(ややこしいな) と知り合いで、誘われてお店に行ったのが、はじまり。


彼は、お店にいた。何となく、気になって、目で追った。

もちろん、その仲介者である奥様も、友人もいたので、全員で和やかに飲んだ。

しかし、私の友人のお兄ちゃま、彼、共同経営者。みなさんが、ずっと同じ学校。顔見知りと言うことで、私には入る話題がなかった。にこにこして、話を聞いて、お名刺の交換をし、その日はお店を後にした。


すると、翌日。さっそく、お店の近くにて行われるイベントのお誘いを頂いた。

友人も、乗り気だったので、行ってみることに。

仕事の後、友人の家で待ち合わせ、(彼の家と、友人の家はとても近かった。)深夜、彼の車でお店に向かう。 そして、イベント。足場の悪い夜道を歩く際には、手を取ってくれた。帰りも、送っていただいた。

彼は、少年のようでありながらも、とても紳士なのであります。

それ以来、頻繁に連絡を取っては、都内、お店。あちこちで飲む相手となった。


でも、ドキドキは、昨年秋の1回だけ。

都内で飲んだ、とある水曜日。彼が「送る」と言い出した。かなり飲んでいたし、平日だったのでお断りするも、彼は、「まぁまぁ」と言って、送ってくれた。


自宅近くに到着し、いつものように、彼も車を降りる。

いつもは、ハグをして、バイバイ。でも、この時は違った。

そっと、やさしいキスをした。ずっと長い時間、腕の中で、星を見上げていた。



時は流れ。それから1年余。

彼の車で熟睡したり、飲んでいても、気づくと彼がいなくなっていたり。
すっかり、旧知の友か、兄妹のようになってしまっている。

あれ以来、ハグ以上のスキンシップは、もちろんない。


さて、すっかり前置きが長くなってしまいましたが。19時、彼からの電話。

タイミング悪く、打ち合わせ中。しかしすぐに気づき、慌てて掛け直した。


繋がる。セーフ。


「あーもしもし??どうもどうもお疲れさま。今日は、忙しいの?」

「うーんそうでもない。そちらは?」

「俺はねー、今京橋。23時に新宿に行くまでは、時間に空きがあるのよ。」 「スプラウト観にいったの?」

「ううん、まだ行けてない。」
「今日のレイトショー、21:20~の会で、TommyGuerrero が舞台挨拶らしいよ!」

「えぇー!知らなかった!!!行きたいなあぁ(もじもじ)」

・・・・・・・・・・・・・

「で、あなた行けるの?行こうよ。」

「行く!行く行く行きます!! 今日はもうすぐ上がれると思うし!!!」

「じゃあ、俺は20:40頃着くので、チケット買っといてよ」

「分かった~。では後ほど!」 (既に、かなり浮かれている)


しかし、私もその後バタバタしててしまい、結局オフィスを出たのは、20時過ぎ。

地下鉄、あと2駅。というところで、電話が鳴る。渋谷駅に着くや否や、かけ直す。


「あぁーもしもし?今どこ?」

「し、渋谷に着いたとこ」

「俺はねぇー。もう映画館の前にいるんですよ。」

「え!!ごめんなさい。5分で行きますっ!!!」

(まずい。また"待たせる"女 になってしまっている)・・・と焦りつつ、ダッシュでスペイン坂を登る。映画館の前に、彼はいない。・・・あれ?どうしよう???


と、電話が鳴る。

「あーもしもし?パルコの黒いビキニの横にいます」

慌てて振り返ると、いた。見つけた。

「ごめんごめんごめんなさい!お待たせ!!」


そこから、フレッシュネスバーガーでビールを買い、列に並ぶ。

既にチケットは、彼が2人分持っていた。ごめんね。


席に座り、もう一本ビールを買う。彼は仕事に戻るため、飲まないという。でも私は、緊張して飲まずにはいられない。

そして、映画が始まる。

彼はとても楽しそうに、サーファーのプロフィールや、登場するビーチ、波、ライディングについて、色々話してくれる。私は映画も楽しんだが、それ以上に彼の楽しそうな姿が、気になって仕方ない。


狭いシート。腕が触れる。こそこそ話ゆえ、顔が近い。どきどきする。

でも。。。途中でお手洗いに行きたくなる。やむを得ず席を立つ。情けない。


そして、つかの間の幸せは、あっという間に過ぎ。23時。映画が終わる。

彼は、エンドロールの途中で席を立つ。


「俺は時間だから、行くねー!トミー、楽しんでね!!」

振り向く私を置いて、ひらり。と去っていった。


はぁ。今日もまた、前にも後ろにも引くことのできない状況。立ち往生の恋心。


わたしも、恋のBIGwaveに、乗りたいものである。