私たちUni-Tableは、10月11日、東京大学工学系研究科 社会基盤学専攻 マネジメント・グループのピーター マトゥス (Petr Matous)講師にインタビューを行った。
東大相撲部主将で世界選手権にも出場された先生は、知性溢れる流暢な日本語で、研究内容、研究スタイル、日本の学生に伝えたいことを、外国での経験を交えながら語って下さった。
Q:研究内容について教えてください。
【持続可能なインフラマネジメント】
私は社会ネットワークの理論を用いて持続可能なインフラプロジェクトの実施・運用のあり方について研究している。主な対象は低開発地域や日本の山村集落だ。日本の都市部では蛇口をひねれば誰でも水を飲むことができるが、一方で、途上国の低開発地域では、誰もが水を自由に手に入れられるわけではない。その解決には、その地域の特性を理解した上で、地域のネットワークをより効果的に活用することが求められる。低開発地域でのプロジェクトの効果的な実施・運営には、対象となるコミュニティの社会構造を考慮することが大変重要だ。なぜなら、これらの低開発地域の人々は、飲用水のような生活必需品を入手する上で、その地域で展開される人間関係のネットワークに依存している。私は地域社会をネットワークとして定量モデル化することによってこれらの人間関係の構造を分析し、その地域に相応しいプロジェクトのあり方を提案している。
【隙間を“つなぐ”研究スタイル】
研究を行なっていく上で、discipline(理論的枠組み)に囚われないようにしている。なぜなら、世の中の問題を解決するための効果的な手法が、あるひとつのdisciplineにだけあるとは限らないからだ。実際に私は社会学からいろいろな手法を援用してインフラマネジメントの研究を行なっている。これは数学のような既存の理論体系から新しい理論を発見するような正統な研究スタイルとは異なり、複数のdisciplineの隙間をつなぐ、橋渡し的な試みだ。ただ、この研究スタイルは学術的な評価が難しい。しかし、学術融合的な研究が社会に貢献していることは確かだから、簡単に諦めるわけにはいかない。時間がかかるかもしれないが、自分で小さな研究分野を作るという意識でやっている。解決すべき問題があり、そのために様々な分野から適当なツールをもってくる。正にエンジニア的な考え方に基づく研究だと考えている。

Q:日本の学生に伝えたいことは何ですか?
研究に取り組む姿勢としては、参考文献を読むことばかりに時間をかけず、読みながら、とりあえず何かやり始める方が良い。行動しながら学んでいくことによって、より多様なことを吸収でき、研究も進展することを実感する。
日本の学生に必要だと思う事は、時間を大切に生活することだ。先生の目を気にして研究室にだらだら居るとか、興味のない講義にも関わらず、単位取得のためだけに出席する等は、本当に時間がもったいないと思う。また、学生時代に活動的で、人間的にも面白かった人でも、卒業後は、お金を稼ぐことが一番の目標になったり、社会に迎合して自分の興味のあるテーマに取り組むことをあきらめてしまう人が多いことは残念に思う。不安な社会情勢ゆえに、自分のしたいことを満喫するのは学生時代だけ、と割り切っている人が多いようだ。しかし、人生が一回きりであることを考えれば、学生時代も、卒業後も、自分の興味や熱意に正直に、活動的に生きるべきだと思う。
外国に住んでみることは、視野を広げさせてくれる。自分の考え方とは異なる人達と友達になることで、自分がより開かれた姿勢で生きるようになる。海外に行ったからといって、すぐさま人格的に成長したり、物事がより分かるようになるわけではないが、異なる考え方を持つ人達が集まって切磋琢磨することによって革新的な価値が生まれる可能性が高い。日本は島国だから閉鎖的だとよく言われますが、それはあまり理由にならないと思う。例えば、フィリピンも島国だが、鎖国的ではない気がする。
制度を部分的に変えたとしても、社会の構造がすぐ変わることはない。この震災を期に、復旧だけに留まらず、制度全体を根本的に変えることが必要。根本的に社会を変えたいと思う学生がもっといていいはずだ。ところが、日本、世界の社会情勢に興味すら持っていない学生も多い。60年代の安保闘争の頃の東大の様子をYou Tubeでみたが、今の東大生とのあまりのギャップに衝撃を受けた。「これからの日本、世界を担う大学生」として奮起して欲しい。

東大相撲部主将で世界選手権にも出場された先生は、知性溢れる流暢な日本語で、研究内容、研究スタイル、日本の学生に伝えたいことを、外国での経験を交えながら語って下さった。
Q:研究内容について教えてください。
【持続可能なインフラマネジメント】
私は社会ネットワークの理論を用いて持続可能なインフラプロジェクトの実施・運用のあり方について研究している。主な対象は低開発地域や日本の山村集落だ。日本の都市部では蛇口をひねれば誰でも水を飲むことができるが、一方で、途上国の低開発地域では、誰もが水を自由に手に入れられるわけではない。その解決には、その地域の特性を理解した上で、地域のネットワークをより効果的に活用することが求められる。低開発地域でのプロジェクトの効果的な実施・運営には、対象となるコミュニティの社会構造を考慮することが大変重要だ。なぜなら、これらの低開発地域の人々は、飲用水のような生活必需品を入手する上で、その地域で展開される人間関係のネットワークに依存している。私は地域社会をネットワークとして定量モデル化することによってこれらの人間関係の構造を分析し、その地域に相応しいプロジェクトのあり方を提案している。
【隙間を“つなぐ”研究スタイル】
研究を行なっていく上で、discipline(理論的枠組み)に囚われないようにしている。なぜなら、世の中の問題を解決するための効果的な手法が、あるひとつのdisciplineにだけあるとは限らないからだ。実際に私は社会学からいろいろな手法を援用してインフラマネジメントの研究を行なっている。これは数学のような既存の理論体系から新しい理論を発見するような正統な研究スタイルとは異なり、複数のdisciplineの隙間をつなぐ、橋渡し的な試みだ。ただ、この研究スタイルは学術的な評価が難しい。しかし、学術融合的な研究が社会に貢献していることは確かだから、簡単に諦めるわけにはいかない。時間がかかるかもしれないが、自分で小さな研究分野を作るという意識でやっている。解決すべき問題があり、そのために様々な分野から適当なツールをもってくる。正にエンジニア的な考え方に基づく研究だと考えている。

Q:日本の学生に伝えたいことは何ですか?
研究に取り組む姿勢としては、参考文献を読むことばかりに時間をかけず、読みながら、とりあえず何かやり始める方が良い。行動しながら学んでいくことによって、より多様なことを吸収でき、研究も進展することを実感する。
日本の学生に必要だと思う事は、時間を大切に生活することだ。先生の目を気にして研究室にだらだら居るとか、興味のない講義にも関わらず、単位取得のためだけに出席する等は、本当に時間がもったいないと思う。また、学生時代に活動的で、人間的にも面白かった人でも、卒業後は、お金を稼ぐことが一番の目標になったり、社会に迎合して自分の興味のあるテーマに取り組むことをあきらめてしまう人が多いことは残念に思う。不安な社会情勢ゆえに、自分のしたいことを満喫するのは学生時代だけ、と割り切っている人が多いようだ。しかし、人生が一回きりであることを考えれば、学生時代も、卒業後も、自分の興味や熱意に正直に、活動的に生きるべきだと思う。
外国に住んでみることは、視野を広げさせてくれる。自分の考え方とは異なる人達と友達になることで、自分がより開かれた姿勢で生きるようになる。海外に行ったからといって、すぐさま人格的に成長したり、物事がより分かるようになるわけではないが、異なる考え方を持つ人達が集まって切磋琢磨することによって革新的な価値が生まれる可能性が高い。日本は島国だから閉鎖的だとよく言われますが、それはあまり理由にならないと思う。例えば、フィリピンも島国だが、鎖国的ではない気がする。
制度を部分的に変えたとしても、社会の構造がすぐ変わることはない。この震災を期に、復旧だけに留まらず、制度全体を根本的に変えることが必要。根本的に社会を変えたいと思う学生がもっといていいはずだ。ところが、日本、世界の社会情勢に興味すら持っていない学生も多い。60年代の安保闘争の頃の東大の様子をYou Tubeでみたが、今の東大生とのあまりのギャップに衝撃を受けた。「これからの日本、世界を担う大学生」として奮起して欲しい。



