サグレス要塞は後から見ることにし、レンタサイクルでだだっ広い平地をサンヴィセンテ岬に向けてひたすら進む。
道の周りは、だんだんと土や腰の高さもない潅木の荒野の風情に変わっていく。
サグレス
の町を出てすぐのあたり。
途中ドライブイン的な施設もあったが、営業はしていないようだった。海沿いに城跡のような石造りの建物も見える。
時々車が猛スピードで追い越していく。基本的に車で向かうところのようだ。グリップのギヤシフターを押さえていないと勝手に変速する自転車に苦労しながら、30分くらいでついに到着。
サンヴィセンテ
岬からサグレス岬方面を望む。
赤い灯台が先端に立つサンヴィセンテ岬。太陽は西に傾き始め、海を白金色に光らせている。海に反射する圧倒的な光を浴びながら、水平線から目が離せなかった。
サンヴィセンテ
岬から南(地中海)方面を望む。
南の遠い先にはアフリカ大陸、西の遠い先にはアメリカ大陸があるはず、と感慨に浸る。大航海時代、ここから多くの若者が未知の海へ船出して行ったのであろう。
「深夜特急」で読んで、いつか来たいと思い、本当に来てしまった。
断崖の岩場のほうに行くと、下のほうに打ち付ける波が見える。水は透き通っている。風は強い。
灯台近くの平地では、露店で飲み物や、なぜか毛皮などの民芸品を売っている。
沢木氏が来た30年くらい前とは違い、訪れる人も多くなったのであろう。
それでも、ユーラシア大陸最東南端の茫漠とした荒野、水色の空、金色に光る海は変わらず人々を惹きつける。