【ロマンチック】





昔々、ボクが働いていた職場に“真面目”を絵に描いたようなメンズの“バズ”がおられました。バズは“昼飯”を“ランチ”と言う“角刈りヘアー”のナイスガイなのです。そんなバズを花見に誘った時の話です。



ボクは聞いた。

 『○○さんは、お酒飲みはるんですか?』


バズが答えた。

 『ん~、ろまん。』



バズは間違いなく“ろまん”と言った。“飲まん”とは言わずに“ろまん”と言った。“おしゃれ”にもほどがある。



朝、始発で家に帰った。駅を出るとアスファルトが白く染まっていた。

雪。

アスファルトの上に薄くひかれた白い絨毯は小さな小さなスパンコールを散りばめキラキラと輝いていた。手の届かない遥か遠くの空から微かに舞い落ちる雪を見上げるよりもアスファルトを白く彩る手の届く雪に美しさを感じた。数時間もすればアスファルトを白く彩る雪は“朝日”という“すべてを浄化させてしまいそうな光”に照らされ姿を消すだろう。

ボクは冬の夜が好きだ。

そこには研ぎ澄まされた美しさがある。

今日もタマキンがキュッと引き締まる。