(※ネタバレ注意)




石持浅海の碓氷優佳(うすいゆか)が探偵役を務める人気シリーズ の新作。


アマゾン予約して、届いた翌日に読んでしまいました。


本作は、これまでのシリーズ作品(『扉は閉ざされたまま』、『君の望む死に方』、『彼女が追ってくる』)とは、

異なり、長編ではなく、連作短編(全部で7作)であり、碓氷優佳が、高校生時代(高1~3)の頃のお話。

全編に渡って、碓氷さんのクラスメイトの”上杉小春”視点で描かれます。


で、感想はというと、やはり、面白い。特に、このシリーズが好きな人には、オススメ。

(ただ、本作から石持作品に入るのはオススメできないかな)



まぁ、あまりネタバレにならない程度に語ると、

1作目の「赤信号」から、碓氷さんは魅せてくれます。

石持先生独特の(一見、こじつけに近いような気がするんだけど、云われてみると、確かにと思ってしまう)

ロジック炸裂!

っていうか、碓氷さんたら、高校1年生の頃から、聡明だったのね。とファンはニヤニヤしてしまいます。



それから、4作目の「握られた手」。これ個人的に好き(私が、ただ”百合”描写が好物というのもありますが)。

思わず、石持先生、”百合”という鉱脈まで手中に収めたのね。とか早合点してしまいましたよ。




そして何といっても、本作のラストを飾る「優佳と、私の未来」。

これが、何とも云えない味わいがあります。

何たって、碓氷さんとその友達連中が繰り広げるガールズトーク。面白いです。

碓氷さんが挙げる、彼女の姉のサークルの男性陣から、碓氷さんの好きな人を当てるシーンがあるんですが。

『扉は閉ざされたまま』を読んだことが」ある人には、”答え”はわかっているんですが、思わず、ニヤリとしてしまいます。

でも、この作品はこれだけではありません。


ガールズトーク後、解散して帰る途中、上杉小春は、ふとした瞬間に、”あること”に気がつきます。


そして、最後のページの最後の行の小春の一言。


読み終わり、本を閉じ、帯に書かれている数行のうちの、

「きっと一生の友達になれるよね?」の一文が、どこか、切なさを感じさせます。


『扉は閉ざされたまま』の内容はかなり頭に入っているんだけど、『君の望む死に方』と『彼女が追ってくる』の方は、初読以降、読み返してなかったので、久々に読んでみたくなりました。

わたしたちが少女と呼ばれていた頃 (碓氷優佳シリーズ)/祥伝社
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