ドラマ『ライフ』第七話。



前回は、愛海(福田沙紀)の指示で、愛海の中学時代の先輩アキラとその仲間達によって、歩(北乃きい)が廃屋に監禁されたところで終わった。



今回は、アキラ達に電話で呼び出された羽鳥(関めぐみ)が、歩を助ける為に廃屋にたった一人でやって来る。…無謀すぎる。



当然羽鳥もあっさり捕まってしまう。でも、歩のことが大好きだから、少しでも早く助けたい、それしか考えてなかったんだろうな、きっと。



二人とも両手を後ろ手に縛られるけれど、その後歩だけ鎖を解かれて乱暴されそうになる。



その時薗田(北条隆博)が助けに来るが、あっさりやられてしまう。



そして、羽鳥の「あんた達は一人じゃ何も出来ないんだね」の一言にキレたアキラが、歩と羽鳥の周りに落としていたガソリンに火をつける。



歩の頑張りでなんとか全員助かり、軽いケガで済むんですが、なんかあっさりしてるというか、もっと酷い目に合うかと思ったけど意外にあっさり解決してしまったな、というのが正直な感想です。



ただ、この事件を期に歩と母親のぎくしゃくした関係が少し解消したのは良かった。



監禁事件があっさり解決したことで、このままハッピーエンドに向かって行くのかな、と前半は思っていたけれど、最後まで見た時その考えは変わっていました。



後半は、愛海の恐ろしさをまざまざと見せ付けられた。佐古克己(細田よしひこ)よりもアキラよりも恐ろしい。



まず、歩と羽鳥への暴行に失敗し、警察に追われるアキラに、「ずっと待ってる」とか「私にはあなただけ」みたいなことを言いながら、携帯のメモリーを削除してあっさり関係を切る。



そして、自分で窓ガラスを割って怪我をしたのに、騒ぎを聞いてやって来た生徒達や先生に、「歩に突き飛ばされた」と平気で嘘をつく。



常にか弱い被害者を演じながら、気に入らない人間の心をいたぶって楽しむ。



自分の悪事に感づいた友達を脅して口止めする。



信用があって、愛海の発言を周囲の人間が簡単に信じてしまうのも恐ろしい。…その信用もおそらくは愛海が計算して築いてきたものなのだろうけど。



さらに愛海は自分の父親をも騙して、歩と羽鳥にいじめられているから二人を退学させて欲しいとお願いする。



そんなお願いを聞いて、二人を退学させる為に学校にやってくる父親も相当問題がある(というか正直に言うと「アホ」)が、



嘘や偽りで自分を塗り固めて生きている愛海も相当狂ってる。



そういう生き方はつらいんだろうけど、つらいからって他人を傷つけることが許されるわけがない。



愛海のような人間が身近にいたら恐いなぁ、と本気で思った。



今回のお話を見て思ったこと。



言葉は時として暴力よりも恐ろしい武器になる。



言葉は時として人の心に大きな傷をつける。



心の傷は目に見えないから、周囲はその傷に気づいてくれない。そして、その傷をさらに広げようとしてくる。



「ペンは剣よりも強し」という言葉があるけれど、それは良い意味でも、悪い意味でも当てはまるのかもしれない。