2020/5/12

『休符』というタイトルの恋愛系の短編小説を書いてみました( ¨̮ )︎︎

何かピュアな気持ちを抱きつつ、高校時代、中学時代に戻れるようなそんな小説です!!


全部で6章くらいになるかなと思いますヽ(´ー`)ノ

(↑変わるかもしれませんが、、笑)


それでは第1章どうぞ!!!!







【第1章】軽音部との出会い


高校1年生も終わりに差し掛かった頃、卒業式に在校生として出席し、当たり障りのない校長先生の祝辞を聞いている時、色んなことをふと考えた。




最近、ものすごく僕を勧誘してくる部活がある。軽音部だ。軽音部の部員は全員で4人。部長でボーカルを務める彩(さやか)を筆頭に個性の強い4人である。僕は小さい頃からドラムをやっており、一応特技として自己紹介の際には言うくらいだ。僕の中学校の軽音部にはドラムがいない。軽音部と名乗っておきながら、ステージの後ろにいながらも圧倒的存在感を放つドラムのいない軽音部があるのかと思ってしまう。そのドラムがいないこともあり、僕は部長の彩に執拗に勧誘を迫られているのだ。しかし、中2の夏やっぱり僕も青春をしたいと思ったのと中2になったときの新入生を歓迎する会での軽音部の演奏を聞いて、決して上手いとは言えないものの楽しんでいる4人の姿を見て心惹かれるものがあったのだ。そこで、僕は中2の夏にこの軽音部に入部した。


「今日から軽音部に入ることになった本庄 (ほんじょう みなと)です。飛び入り参加ではありますがよろしくお願いします!」


「湊くん!よろしく!!私のことはもう知ってると思うけど、部長の彩!ボーカルやってます!」


ものすごく勢いのある挨拶だったのがすごい印象的だ。


「早速練習に入っていくけど、みんなにも聞いて欲しいことがあるの。私たちは来年の夏にあるSummer Contestに出演することになったの。そこでそのステージを成功させることを目標に1年間みんなで頑張っていこう!」


入部したその日にこんな大きなこと発表するものか、、この部長の大胆さ加減には感服する。この日から毎日キツい練習が始まった。個人練習から始まったが、全員まだまだの実力で合わせることはおろか、自分のパートですら危うい、そんな状況だった。





3ヶ月後、11月になった頃だろうか。Summer Contestのプロデューサーが僕たちの演奏を聞くために中学校に来た。この軽音部は顧問がいていないような存在だが、そのプロデューサーと顧問が僕らの演奏を聞いた。しかし、案の定プロデューサーは僕らの演奏に納得するはずもなく、


「こんな演奏で、出演されても困る!いい加減にしてくれ。このままでは出演を撤回させざるを得ない。4ヶ月後の3月にもう一度見に来る。その時に私を納得させれなければ、出演を撤回させてもらう!」


ものすごい剣幕でセリフ吐き捨てるように言って出ていった。僕もさすがにこの演奏はまずいと思った。まだ全員が本気になれてない、それは全員向いている方向が違うのではないかと感じた。しかし、自分たちにとって最後の大舞台に立てるチャンスがなくなろうとしていることに気づき始めたのか、次の日から全員の目付きが変わった。その時だっただろうか、彩のくせに気づいた。彩は本気のとき、右手で髪の毛をかき分けるのだ。いつもは男勝りな彩も髪の毛をかき分けて、ギアを入れ替えるようなイメージなものの、ものすごく大人っぽく感じた。





全員が真っ直ぐ同じ方向を見て、成長してきた今僕らの演奏は良くなる一方だった。楽譜が真っ黒になるほど、メモが書き足され、自分のパートをしっかりとこなすだけでなく全員で合わせ、全員で音楽を楽しんでいた。





そんな日々の練習も束の間で、4ヶ月が経った。桜がつぼみから綺麗な桃色の花を咲かせるように、あのときは蕾だった私たちの開花前線がやってきたのかだんだんと上達していっていた。プロデューサーが見に来て、もう一度演奏のとき。彩が右手で髪の毛をかき分けて、全員と目を合わせる。今までの練習の成果を見せる時だ。寸分乱れぬ演奏はプロデューサーの心に突き刺さった。


(パチパチパチパチ)ここまで成長するとは、、、驚きを隠せないよ。文句はない!夏まで残り少ないがリハーサルの時間含めて残り少ない時間を大切により完成度を高められるように準備をしていって欲しい。」


『文句はない』最高の褒め言葉だった。まだまだ改善点はあるものの、やはりこの軽音部の『音楽を楽しむ気持ち』が少しでも伝わったのではないかと思った。



次回は、

いよいよ始まる、、Summer Contest