結論はどこへ | 英国MBAへの挑戦ブログ

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イギリス(スコットランド)の大学院(ビジネススクール)でMBAを目指すことになった40代男の冒険記録です。

 最近の行動パターン。

 夕方までアパートで尻痛と闘いながら論文に取り組む。

 夕方から街に出てカフェでブラックコーヒーを飲む。ちなみにこっちではブラックコーヒーでなく、アメリカーノという。

 その足でスーパーで食糧を買って帰り、毎日似たようなものを食べ、夜からまた机に向かう。

 基本的に美味いものはなく、食欲が減退してるので痩せて来た気がする。

 

 今日のカフェ

 

 

 さて、修士論文用のアンケート集めは終わり、それとは別に進めていた値札表示とレシート表示のサンプル集めもなんとか終えて、いよいよ本格的な執筆に入った。そして、書いた語数でいえばなんと既に13000語くらいになってた。内容はまだぐちゃぐちゃだけど。

 

 日英の消費税(英国では付加価値税VAT)を比べて見ると、面白い違いに気づく。まず、英国では20%もVATがかかるのに、店頭の商品値札には、一切、VATの表示はない。VATを含んだ価格だけが£29.99とかポツンと書いてあり、(税込)とかいう記載すらない。日本では税込か税抜かは必ず値札に書いてある(もしくは店内に掲示してある)し、両方の金額を記載しているケースも多い。価格だけポツンというのは日本ではあり得ない。

 

 そして、レシート。英国で集めた40店舗のサンプルレシートのうち、VATの記載があるのは24店舗で、残り16は、一切VATがいくら入ってるとか書かれていない。日本のレシートには全部消費税額が表示されてるのに。つまり、英国ではVATの顕著性(Salience)がとても低く、VATを払っていることすら意識していない人も多い。英国版アンケートでは58人のうち標準税率の20%を知らなかった人が10人もいた。

 

 考え方によっては、VATが目立たないから、20%という高い税率にも不満が出にくく、税率を上げる時もわりとスムーズにいく。これに対する批判もあり、学者の間ではhidden tax(隠された税)とか、ひどい言葉ではfiscal illusion(「財政錯覚効果」とかでいいかな)とも言われたりする。でも、英国民はもうVATの表示がないのに慣れていて、VATは単なる価格の一部であって決して表に出て来ないという状況が完全に定着している。

 

 消費税の存在を値札に明記するのは、明瞭性の考えからはいいことかも知れないが、今の日本の値札表示は、1000円(税抜)とか、1080円(税込)とか、1000円(税込1080円)とか、1000円+(税)とか、はっきり言ってバラバラで混乱を招いているし、しかも、それが却って消費税を目立たせているようにも思う。ちなみに、日本版アンケートでは、55人全員が消費税の税率8%を正解した。日本では消費税の顕著性が高いという証拠。

 

 その顕著性については賛否両論あるだろうけど、少なくともこのまま値札表示がバラバラというのは良くないと思う。店によっては、税抜表示で安く見せる錯覚効果を露骨に狙う場合もあると聞くし、そうなると、消費者にとっては結局は害になる。そのうえ、税抜表示の錯覚で購入を決めてレジに持っていったら、思ったより高い金額を請求されるわけだから、不快感と抱き合わせで消費税の存在を意識することになる。そうなると余計に税に対してネガティブなイメージをもつんじゃないか。ただ、だからと言って、日本でも消費税の存在を隠して税率を上げやすくすべきだ、とか言うつもりもさらさらない。

 

 さて結論をどう持っていくかというのを、よく考えないといけない。それにしても、こんなことに並々ならぬ関心を持って書いている自分は、やっぱり世間からするとズレているんだろうか、と心配している・・。長くなってしまった。最後まで読んでいただいた方、有難うございました。