昨日NHKのあさイチで、カスタマーハラスメント(以下カスハラ)について特集していました。
カスハラをよく受けるサービス業の方々の気持ちやカスハラになっている可能性がある言動についての内容でした。
ハラスメントは、受けた側が精神的苦痛を味わえば成立するので、お客側が何気なくやっている言動が、場合によってはカスハラとして受け取られることもあるかもしれないとのこと。
気をつけたいものです。
カスハラとまではいかなくても、サービス業に携わる者としていちばん苦手意識を持たれるのは、クレーム対応。
私がコールセンターの勤務経験があるといえば「コールセンターってクレームが多いでしょう?嫌じゃない?」
と、よく言われます。
実は私は、コールセンターも対面接客も、クレーム対応にはそれほど苦痛は感じません。
なぜかというと、私はお客様にとって、企業や組織の代表として対応しているので、クレームを言われたとしても、組織側のやり方に対するものだから。
私自身に問題があるわけではありません。
だからその役割は、納得していただけるように丁寧に謝罪すること。
そのために重要なのが、謝罪の言葉選びです。
そもそもお客様は、なぜクレームを言ってくるのでしょうか。
その理由は「自分の感情が害されたから」
クレームの内容だけを聞くと、組織側のやり方が気に入らないとか、自分の要望を叶えてほしいとか。だからクレーム対応に慣れない人は、そのやり方になっている理由や叶えることができない旨を切々と語ります。
実は、それでは火に油を注ぐようなもの。お客様は自分の訴えが否定されたように感じるから、話をすればするほど感情がエスカレートするのです。
では、どんな言葉で対応すれば納得していただけるのでしょうか。
それは、お客様が感じた不快感に寄り添う言葉です。
「ご不快な気持ちを味わわせてしまい、申し訳ございません。」
「説明がわかりにくくて、申し訳ありません。」
「お手数をおかけして、申し訳ございません。」
お客様が正論でこちらが対応できない要望を伝えてきたときは、
「仰る通りでございます。お役に立てなくて申し訳ございません。」
さらに
「貴重なご意見として上申いたします。」
上記のような言葉による対応で、大抵は納得していただけます。
これらは接客のプロの技ですが、プライベートで謝罪するときも同じだと思います。
私事ですが、実は最近とても辛い出来事があり、その原因になった方から、謝罪を受けました。
だがしかし!
その謝罪の言葉ゆえに、私の怒りはヒートアップ。
「自分の性格のせいで、このような不適切な状況を作ってしまった。ごめんなさい。」
挙げ句の果てには「この性格を直すために努力します。」
もうお分かりですよね。
私の傷ついた気持ちとその辛さ、悲しさや悔しさには全く言及せず、自分に対する言い訳ばかり。
さらに言えば、性格には良いも悪いもないんです。
「ほめ達検定」の3級では、マイナスをプラスに変換するワークがあって、たとえば「わがまま」を「自分の主張がある」や「自分らしさがある」に言い換える。「優柔不断」なら「慎重」とか「優しい」に…というように変換させることができるのです。
横道に逸れてしまいました。
つまり、プライベートでも誰かを傷つけたり、迷惑をかけたりしたときには「自分が悪くて」ではなく「辛い気持ちにさせてごめんなさい。」「傷つけてしまってごめんなさい。」
言葉がどうしても見つからないときは「分かってあげられなくてごめんなさい。」でもいいんです。気遣おうとする気持ちを表せば。
それでも、せめて「自分が相手の立場だったら」と想像するくらいのことはしていきたいものですね。