統合失調症(精神分裂病)韓国男尊女卑ライダイハンチルドレン姦黒山葡萄穢土便鬼土星塵病
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統合失調症
Cloth embroidered by a schizophrenia sufferer.jpg
統合失調症患者が作成した刺繍
分類および外部参照情報
診療科・
学術分野    精神医学, 臨床心理学
ICD-10    F20
ICD-9-CM    295
OMIM    181500
DiseasesDB    11890
MedlinePlus    000928
eMedicine    med/2072 emerg/520
Patient UK    統合失調症
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統合失調症のフローチャート
統合失調症(とうごうしっちょうしょう、英語: Schizophrenia、ドイツ語: Schizophrenie、略: SZ)は、思考、知覚、感情、言語、自己の感覚、および行動における他者との歪みによって特徴付けられる症状を持つ、精神障害の一つである[1]。

一般に幻聴や幻覚、異常行動が見られる[1][2]。日本では2002年(平成14年)まで、精神分裂病(せいしんぶんれつびょう)と呼称されており[3]、2002年から「統合失調症」という呼称に改訂された[4]。

発症のメカニズムや根本的な原因は解明されておらず、また、単一の疾患ではない可能性が指摘されており、症候群である可能性がある[5]。様々な仮説が提唱されているが、未だに決定的な定説が確立されていない[5]。

有病者の人数は、世界で2100万人(男性1200万人、女性900万人)ほどで、患者の死亡率は、一般人口より2.0から2.5倍ほど高い[1][6]。成人の年間有病率は0.1から7.5%、生涯有病率は0.1から1.8%と世界保健機関(英語: World Health Organization、略称:WHO)は報告している[7]。世界の障害調整生命年 (英語: disability-adjusted life year、略称:DALY) のうち約1%を占める[8]。日本では71万3千人の患者がいると推計されている[9]。

精神疾患として深刻なもの (Severe mental disorder) とされるが、治療が可能な病気である(具体的な治療法については、「統合失調症#心理社会的介入」を参照)。しかし患者の2人に1人は、医師の受診につながっていない[1]。この疾患の担当診療科は精神科であり[10]、精神科医が治療に当たる。世界保健機関は、低所得国および中所得国を対象とした計画である Mental Health Gap Action Programme (mhGAP) [11]を策定し、クリニカルパスおよび診療ガイドラインを作成、公開している[1][12]。


目次
1    定義
2    症状
2.1    陽性症状
2.2    陰性症状
2.3    その他の症状
3    原因
4    検査
4.1    心理検査
4.2    生理的検査
5    診断
5.1    診断基準
5.2    鑑別疾患
5.3    診断の問題点
6    予防
7    治療
7.1    法律
7.2    支援者
7.3    援助の方針
7.4    薬物療法
7.5    食事と運動
7.6    心理社会的介入
7.7    その他
8    経過
9    予後
9.1    死亡率
10    疫学
10.1    罹患率・有病率など
10.2    合併症の疫学
11    歴史
11.1    年表
11.2    江戸時代の日本
11.3    病名呼称の歴史
11.4    治療史
12    社会的側面
12.1    統合失調症を患ったとされる著名人
13    研究事例
14    医療費
15    脚注
15.1    注釈
15.2    出典
16    参考文献
17    関連項目
18    外部リンク
定義
「精神障害#定義」も参照
精神医学的障害の一種である。

1899年、エミール・クレペリンは、感情の欠如、奇妙な歩行、筋痙攣(きんけいれん)などを呈し、痴呆へと至る患者を「早発性痴呆」と記述した[13]。

1908年、オイゲン・ブロイラーが「schizophrenia」と名付けた[13]。

1917年、コンスタンチン・フォン・エコノモが「嗜眠性脳炎(英語版)」を記述し、「schizophrenia」から「嗜眠性脳炎」が除外された[13]。

1920年代〜30年代、精神医学の教科書の記述が変化した[13]。従来の身体症状が全て削除され、幻覚、妄想などの精神症状が残った[13]。

1937年、日本精神神経学会は、同学会における用語を「精神分裂病」とした[3]。

1968年、DSM-IIの前文は「最善は尽くしましたが、(アメリカ精神医学会の)委員会はこの障害について合意を得ることができませんでした。合意できたのは診断名だけです[注 1]」(ix頁)としている[14][15]。

1980年、DSM-IIIは「精神分裂病の概念の範囲は曖昧です[注 2]」(181頁)としている[16][17]。また、精神障害の基本概念に関して、「精神分裂病患者 (a schizophrenic) 」という人間を分類する表現は誤解を招くため、「精神分裂病を有する人 (an individual with Schizophrenia) 」というぎこちないがより正確な表現を採用すると説明している[18]。DSM-III-R(1987年)、DSM-IV(1994年)、DSM-IV-TR(2000年)にも同じ説明がある[18][19][20][21]。精神分裂病患者 (schizophrenics) が存在するのではなく、精神分裂病 (schizophrenic disorder) の診断基準を満たす症状を有する人々がいるだけである[20][21][22]。

1982年、アメリカ合衆国で病名が認可された。

1987年、DSM-III-Rは「精神分裂病に限っては、単一の特徴をいつも示さなかったり、生じないことに注意すべきです[注 3]」(188頁)としている[16][17]。

1988年、ニューヨーク州立大学のトーマス・サズ(英語版)博士は「精神分裂病はとても曖昧に定義されています。実のところ、話し手の気に入らない行動のほとんど全てにしばしば適用される用語です[注 4]」と述べている[23]。

1990年、メアリー・ボイル(英語版)は、精神分裂病の指示対象について、「徐々に変化し、この診断名が最終的には、クレペリンの症状と表面的にもほとんど類似点がない集団に適用されるようになった[注 5]」と述べている[13]。

1994年、著名な精神分裂病研究者[注 6]であるナンシー・C・アンドレアセン博士は、何が精神分裂病なのか分からないと認めており、「ヨーロッパの人々は、誰が本当に精神分裂病を持っているのか、何が本当の精神分裂病なのか、理解することによって、アメリカの科学の一助となる[注 7]」と述べている[25][26][27]。

2002年、日本精神神経学会は、「精神分裂病」には差別的な意味合いが包含されているとして、同学会における用語を「統合失調症」に変更した[3]。

症状