Netflix ネットフリックス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動検索に移動
Netflix, Inc.
Netflix 2015 logo.svg
100 Winchester Circle.jpg
本社
種類    株式会社
市場情報    NASDAQ: NFLX
S&P 500 Component
本社所在地    アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カリフォルニア州ロスガトス
設立    1997年
業種    情報・通信業
事業内容    動画ソフトウェアの販売・レンタル
ストリーミング配信
映像コンテンツ製作
代表者    リード・ヘイスティングス(会長、CEO)
テッド・サランドス(CCO)
売上高    増加 157億9400万円(2018年)[1]
営業利益    増加 16億0500万円(2018年)[1]
純利益    増加 12億1100万円(2018年)[1]
純資産    増加 52億8900万円(2018年)[1]
総資産    増加 259億7400万円(2018年)[1]
従業員数    増加 7,100人(2018年)[1]
主要株主    ディッシュ・ネットワーク(2011年 - )
主要子会社    Netflix株式会社(日本法人)
ミラーワールド(英語版)
関係する人物    リード・ヘイスティングス(共同創業者)
マーク・ランドルフ(英語版)(共同創業者)
外部リンク    www.netflix.com
テンプレートを表示
Netflix(ネットフリックス、NASDAQ: NFLX)は、アメリカ合衆国のオンラインDVDレンタル及び定額制動画配信サービス運営会社。アメリカ合衆国の主要なIT企業で、FAANGの一つである[2]。2017年12月の時点で190ヵ国以上で配信事業を展開し[3]、2018年の売上は157億ドル(1.57兆円)、契約者数は世界で1億2500万人[4][5]。

本社はカリフォルニア州ロスガトスに置かれている。10万種類、延べ4200万枚のDVDを保有し、レンタル向けに1,600万人の顧客を得ている。また、ストリーミング配信では既存のコンテンツに加え、独占配信やオリジナル作品も扱っている。

アメリカ、オランダ、ブラジル、インド、日本、韓国に支社を持つ[6]。


目次
1    歴史
1.1    創業期:1997年~1999年
1.2    成長期:2000年~2005年
1.3    変革期:2007年~2014年
1.4    発展期:2015年~現在
2    ロゴ
3    各国での運営
3.1    カナダ
3.2    中南米
3.3    日本
3.4    ヨーロッパ
4    オンラインDVDレンタル
5    映像ストリーミングサービス
5.1    日本での映像ストリーミングサービス
5.2    レコメンド機能
5.3    プロフィール
6    主な配信作品
6.1    配信作品の分類と定義
6.2    Netflixオリジナル作品の国・地域ごとの配信の仕組み
6.3    Netflixオリジナル作品の歴史
6.4    Netflixオリジナル作品
6.5    映画の定義
7    脚注
7.1    注釈
7.2    出典
8    関連項目
9    外部リンク
歴史
創業期:1997年~1999年
Netflixは1997年8月29日、現CEOのリード・ヘイスティングス(英語版)と、ソフトウェア会社の役員だったマーク・ランドルフ(英語版)によって、カリフォルニア州スコッツバレーにて設立された[7][8][9][10]。創業時の資本金は250万ドル[7]で、初代CEOにはランドルフが就任した[11]。

オンラインでのDVDレンタルサービスを事業とすることを思いついたのはヘイスティングスで、かつて彼が『アポロ13』のビデオテープをレンタルした際、返却期限に間に合わず40ドルの延滞料金を支払った経験がきっかけとなっている[7][12]。

1998年、Netflixはわずか30名の従業員と共に、ウェブサイトによるDVDレンタルサービスを世界で初めて開始[7][13][8]。当初扱っていた作品数は925タイトルで、1週間レンタルにつき4ドル、送料・手数料として2ドル(追加でレンタルする場合はさらに1ドル)を支払う仕組みになっていたが[7][8][14]、1999年9月、定額制のレンタルサービス「マーキー・プログラム」を開始。月額15ドルでDVDを本数制限なしにレンタルできるこのサービスは、延滞料金、送料・手数料が全て無料という当時としては画期的なアイデアだった[7][15]。

以降、ウォルマートなどのライバル企業が同様のサービスで参入したが[注釈 1]、2012年にキオスク型でのレンタル事業を展開するレッドボックス(英語版)に明け渡すまで、DVDレンタル業界1位の座を守り抜いていた[16][17]。この年には本社を、現所在地のロスガトスに移している[18]。

成長期:2000年~2005年
2000年、Netflixは会員の評価に基づき、各会員にお勧めの作品を提示する「レコメンド機能」を導入[9][13]。同年にはレンタルビデオ店チェーンのブロックバスターに、5000万ドルで自社を売却するという旨の申し出を行っているが、ブロックバスター側が断ったことにより、買収はされなかった[19][20]。この時期、Netflixはアメリカ国内に60万人の会員を抱えるまでに成長しており[13]、2002年には新規株式を公開してNASDAQに上場[13]。普通株式550万株を15ドルで売却し[21]、さらに追加で82万5千株を同額で売却した[22]。

2003年度の会計では、売上高2億7200万ドル、純利益650万ドルを計上しているが[23]、2004年に取締役員を務めていたランドルフが職を退き、会社を去った[24]。

2005年には会員数が420万人を突破[13]。扱う作品数も3万5千タイトルにまで増え、毎日100万枚ものDVDがNetflixを通じてレンタルされるようになった[25]。

変革期:2007年~2014年
2007年1月、Netflixは自社のコアビジネスを、それまでのDVDレンタルサービスからビデオ・オン・デマンド方式によるストリーミング配信サービスに移行[26]。2008年から2010年にかけては、大手メーカーと提携し、ゲーム機(Xbox 360、プレイステーション3、Wii)、ブルーレイディスクプレーヤー、インターネット接続テレビ、アップル製品(iPhoneやiPadなど)およびその他デバイスでの配信に対応していった[13]。

しかし2011年9月、Netflixは自社のサービスからDVDレンタルサービスを独立させ、「クイックスター」(Qwikster)というブランド名で提供することを発表[27][28]。DVDだけでなく、Xbox 360、Wii、プレイステーション3専用のゲームタイトルもレンタル可能にする予定だったが[29][30]、利用者からは同社がストリーミング配信サービスと合わせてそれぞれ7ドル値上げしたことについて不満の声が上がり、第3四半期には約80万人もの会員がサービスを解約[17]。さらに「クイックスター」という名前自体が、既にTwitterの個人アカウント名として使われていることが判明[31]。翌月には計画全てを廃止することとなった[32][33][17]。

2012年10月にはエミー賞より、ストリーミング配信を世に広めた功績が讃えられ、同賞の技術開発部門であるプライムタイム・エミー・エンジニアリング賞(英語版)を受賞[34][35]。また、第4四半期にはアメリカ国内でのストリーミング配信サービスの利用者は2,710万人に増え、売上高は9億4500万ドルとなった[36]。2013年、インターネット界のアカデミー賞とも呼ばれるウェビー賞のMedia Streaming部門(音声・映像ストリーミングサービス対象)でWebby Award(審査員投票)とPeople's Voice Webby Award(一般投票)のダブル受賞を果たした[37]。2014年4月、Netflixはアメリカでのストリーミング配信市場において32.3%のシェアを獲得[38]。同年6月には企業ロゴのデザインおよびウェブサイトのUIを一新するリブランディングを行い[39]、7月には全世界の会員数が5000万人を突破した[40]。

ストリーミング配信で成功を収める一方、Netflixは既存作品の配信だけでなく、オリジナル作品の製作にも乗り出すようになる。中でも同社が2013年に配信を開始したドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』は、ケヴィン・スペイシーやロビン・ライトら有名俳優を主演に据え、映画監督のデヴィッド・フィンチャーがシリーズの製作総指揮を務めたほか、製作費として1億ドル(約123億円)もの巨額が投じられたことで話題となった[41][42]。また、従来のテレビ放送のように毎週1話ずつではなく、1クール全話での一挙配信を行ったことにより、アメリカ国内では俗にいう「一気見」をする人が続出、社会現象となった[41][42]。続いて製作された『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 塀の中の彼女たち』もヒットし、同2作はドキュメンタリー映画『ザ・スクエア』も含めて、プライムタイム・エミー賞で31のノミネートを獲得[13]。『ハウス・オブ・カード 野望の階段』は3つのプライムタイム・エミー賞を受賞し、『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 塀の中の彼女たち』は2014年に7つのクリエイティブアート・エミー賞を受賞[13]。これにより、映像コンテンツ製作会社としての地位を確立していった。

発展期:2015年~現在
2015年2月、Netflixは2016年末を目標とするグローバル展開の一環として、日本でのストリーミング配信サービスを開始することを発表[43][44]。それと同時に日本法人としてNetflix株式会社が設立され、ストリーミングおよびパートナーシップ最高責任者であるグレゴリー・K・ピーターズが同社代表に就任した[43][45]。6月にはフジテレビとのコンテンツ制作提携を発表し、同局の人気番組『テラスハウス』の新シーズンおよびオリジナル番組『アンダーウェア』の製作・配信を行うとした[46][41]。8月には大手通信キャリアであるソフトバンクと業務提携を行い、ソフトバンクのユーザーを対象に申込受付から料金請求までを一貫して提供するサービスを開始[47][48][49]。9月に、日本でのストリーミング配信サービスが開始された。

2016年1月には、国際家電見本市コンシューマー・エレクトロニクス・ショーにおいて、新たに130か国以上の国での展開を行い、全世界にストリーミング配信サービスを提供すると発表[50][51][52]。同年末には、会員がオフラインで選択した動画をダウンロードして視聴できる機能が追加された[53]。

2017年7月、同年度の第2四半期決算の発表と共に、全世界の会員数が1億人を突破したことを発表[54][55][56]。8月にはアメコミ原作者であるマーク・ミラーが代表を務める大手漫画出版社ミラーワールド(英語版)を買収した[57][58][59][60][61][62]。

オリジナル作品においては、2015年2月に行われた第87回アカデミー賞において、俳優のレオナルド・ディカプリオが製作総指揮を務めたドキュメンタリー作品『ヴィルンガ』(オーランド・ヴォン・アインシーデル(英語版)監督)が長編ドキュメンタリー賞にノミネート[63][64]。同年10月に配信されたNetflix初のドラマ映画[13]『ビースト・オブ・ノー・ネーション』(キャリー・フクナガ監督)は、同作に出演したアブラハム・アター(英語版)とイドリス・エルバが、英国アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞での男優賞や、ヴェネツィア国際映画祭のマルチェロ・マストロヤンニ賞など、数多くの栄誉ある賞を受賞またはノミネートを獲得した。

2017年2月には『ホワイト・ヘルメット -シリアの民間防衛隊-』(アインシーデル監督)が第89回アカデミー賞において短編ドキュメンタリー賞を受賞。『13th -憲法修正第13条-』(エイヴァ・デュヴァーネイ監督)が長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた[65][66]。同年5月には『オクジャ/okja』(ポン・ジュノ監督)、『マイヤーウィッツ家の人々 (改訂版)』(ノア・バームバック監督)が第70回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に、ウェブ配信の作品としては初めて出品されたものの、フランスでの劇場公開が確約されなかったことによる現地興行界からの反発や、審査員長を務めた映画監督のペドロ・アルモドバルが記者の質問に対する形で「個人的には、劇場公開される予定のない映画は、最高賞パルム・ドールのみならず、他のどんな賞を受賞するべきではないと考える」との発言をするなど、大きな波紋を呼んだ(アルモドバルはのちに自らの発言を撤回し、公正な審査を行うと宣言してポン監督に謝罪をしたという。)[67][68][69][70]。

また、2017年8月に東京国際フォーラムで開かれたイベント「Netflixアニメスレート 2017」では、自社のアニメ作品への取り組みを紹介。プレゼンでは50社以上のスタジオと制作を進めている他、オリジナルも含む日本発のアニメ作品を2018年に配信していくことを発表した[71][72][73][74]。

2020年1月、2019年12月末時点での世界全体の有料会員数が同年9月末時点より約876万人増の1億6709万人になった事が明らかになった[75]。

2020年1月20日、Netflixはスタジオジブリの21作品[注釈 2]の配信権を獲得。アメリカ[注釈 3]と日本を除く世界191カ国で2月から4月にかけて順次配信すると発表した[注釈 4][76][77][78][79]。

ロゴ

旧デザイン(2000年~2014年)

 

現行デザイン(2014年~)

各国での運営

2016年1月現在の提供地域:
  提供中
   現時点で提供予定なし
アメリカ以外では5国にオフィスを置き、中華人民共和国やシリア、クリミア、北朝鮮を除く世界190以上の国で配信サービスを行っている[80][6]。ただし、中華人民共和国ではiQIYIにオリジナル作品のライセンス提供を行っている[81]。

カナダ