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『日本国紀』前半 百田尚樹 出典: フリー百科事典 ウィキ…ペディア(Wikipedia) 

 

 

評価

売上

『日本国紀』は発売前から大きな反響を呼び、発売前の時点で5万部の重版がかかり[8]amazon.co.jpにおいては発売前から2週間連続でベストセラー1位となった[11]

肯定的な評価

著述家の宇山卓栄は、本書の百田の考えは「実にバランスの取れたフェアなもので、日本の歴史教育では意図して教えない歴史の隠蔽に斬り込む姿勢が大ヒットに繋がっている」と評価した。通説と作家の考えが混合しているとの批判に、「百田は自身の考えや推論、仮説を提示する際には文脈上混同しないよう明確に書き分けており、その区別のつかない批判者はよほど読解力がないと言わざる得ない」と述べた[14]。また「中世において、『日本書紀』が編さんされた目的の一つに、日本が朝鮮半島を支配した証拠や根拠となる史実を論証するという狙いがあった」と述べ、「『日本国紀』は現代版『日本書紀』たらんとする気概を持って書かれた」と評している[14]

批判

一方で内容の矛盾やウィキペディアからの転用疑惑が指摘されている[15][16]ニュースサイトリテラ』は11月17日と11月20日付のそれぞれで、「記述の矛盾やウィキペディア・新聞記事・歴史研究書からの転載疑いがある、一部を除き参考文献が示されていない」などと論じた[17][18]

毎日新聞のまとめによれば、ウィキペディアの紫式部文禄・慶長の役荻原重秀などの項目に書かれていた文章が、極めて近い表現で記述されていることが指摘されている[19]扶桑社が運営するウェブサイト『ハーバー・ビジネス・オンライン』は12月1日付で、「246 - 249ページのジョン万次郎に関する記述はウィキペディアの要約ではないか、把握できた限りで全体の1.8パーセント相当の約9ページ分がインターネット上の記事をコピー・アンド・ペーストし改変したものではないか、などの疑惑がかけられている」と報じた[20]。また『逆説の日本史』などで知られる井沢元彦の説との類似も指摘されている[11]

史学者からの批判

現代史家の秦郁彦は、『日本国紀』は評論家の江藤淳と同様にウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムを過大評価していると指摘した上で、「陰謀史観的だ」と評している[11]。日本中世史家の呉座勇一は、西尾幹二の『国民の歴史』に比べれば穏健であるとした上で、「研究者の中には、暗殺(毒殺)されたと見る者も少なくない」と足利義満暗殺説を記述していることが象徴的であるとして、「古代・中世史に関しては作家の井沢元彦氏の著作に多くを負っている」が、井沢の説であることを明示せずに有力説であるかのように示していると指摘している[21][12]。また刀伊の入寇の際の対応など[12]平安時代貴族が退廃的であったことや、足利義政が政治から離れたという理解は古い伝統的な歴史観であると指摘し、「日本史学界の守旧性を激しく批判し、新しい歴史像の提示を謳っているのだが、彼らの歴史理解は実のところ古い」と指摘している[21][22]。また近現代史においても「ベトナムとカンボジアとラオスを植民地としていたフランス」を相手に「植民地解放のため」日本が戦った[23]という記述など致命的な錯誤がみられ、短い時間とはいえずさんな校閲を行った、「監修」を自認する戦史研究家である久野の責任についても指摘している[24][12]

批判への対応

これらの批判に対し、著者の百田、編集者の有本香は度々再批判を行っているが、本格的な反論は行われていない[24]

ウィキペディアからの盗用疑惑に対しては、百田は「執筆にあたっては大量の資料にあたりました。その中にはもちろんウィキ[25]もあります。しかしウィキから引用したものは、全体(500頁)の中の1頁分にも満たないものです。」[26]と自らのTwitterで述べている。

また「監修」を自認する久野潤はネット上や各種メディアで「反論」を行っている[11]。久野に名指しで批判された呉座勇一は[11]、たびたび反論を掲載しており[24]、一種の論争となっている[27]

一方で、インターネット上などで指摘された本書の誤りが、増刷後の版では告知なく修正されている。毎日新聞は、日本人を評した言葉を発した人物が「ルイス・フロイス」と書かれていた部分が、重版後には「フランシスコ・ザビエル」に修正されていたと指摘している[19]。 また『週刊実話』は、皇位継承に関する箇所が、告知せずに第4刷で訂正されていたと報じている[28]

脚注

[]
  1. a b c d e f g h i 日本国紀”. 幻冬舎. 2018年11月21日閲覧。
  2. a b 有本香 (2018年10月26日). “【有本香の以毒制毒】発売前にベストセラー!? アマゾンランキングも不動の一位 百田尚樹さん「日本国紀」現象とは”. 夕刊フジ. 産業経済新聞社. 2018年11月21日閲覧。
  3. ^ 『日本国紀』第1刷、2018年11月10日、奥付
  4. ^ 『日本国紀』第2刷、2018年11月15日、奥付
  5. ^ 『日本国紀』第3刷、2018年11月20日、奥付
  6. ^ 『日本国紀』第4刷、2018年11月25日、奥付
  7. ^ 『日本国紀』第5刷、2018年11月28日、奥付
  8. a b 百田尚樹さん「日本国紀」が異例の発売前5万部重版 アマゾンに事前予約殺到”. 産経新聞産業経済新聞社 (2018年10月22日). 2018年11月21日閲覧。
  9. a b (2018年11月25日付産経新聞・中日東京新聞広告)”. 幻冬舎営業局 (2018年11月24日). 2018年12月1日閲覧。
  10. ^ 『日本国紀』第3刷、2018年11月20日、pp.508-509
  11. a b c d e f g 久野潤 (2019年1月6日). “(百田尚樹『日本国紀』をコンナヒトタチに批判されたくない”. iRONNA. 2019年2月22日閲覧。
  12. a b c d 呉座勇一 (2019年1月11日). “『日本国紀』監修者・久野潤氏の反論に応える②”アゴラ 2019年2月22日閲覧。
  13. ^ 百田尚樹 [@hyakutanaoki]. "2018年11月4日午前12:55のツイート" (ツイート). Retrieved 2019年2月22日 – via Twitter.
  14. a b 宇山卓栄 (2019年1月6日). “百田尚樹『日本国紀』はなぜ支持されるのか”. 2019年1月7日閲覧。
  15. ^ 百田尚樹『日本国紀』が「矛盾」「コピペ」騒動で大炎上?”. 週刊実話.日本ジャーナル出版 (2018年11月19日). 2018年11月21日閲覧。
  16. ^ “売り上げ好調 百田氏「日本国紀」に「コピペ」騒動 専門家の評価は?”毎日新聞. (2018年12月20日) 2018年12月20日閲覧。
  17. ^ 小杉みすず (2018年11月17日). “百田尚樹『日本国紀』の無知と矛盾にネットから総ツッコミが! 同じ本なのに主張がバラバラ、監修者降板騒動も”. リテラサイゾー. 2018年12月1日閲覧。
  18. ^ 小杉みすず (2018年11月20日). “Wikiコピペ疑惑の百田尚樹『日本国紀』を真面目に検証してみた! 本質は安倍改憲を後押しするプロパガンダ本だ”. リテラ. サイゾー. 2018年12月1日閲覧。
  19. a b “百田氏「日本国紀」に「コピペ」騒動”毎日新聞. (2018年12月20日) 2019年2月22日閲覧。
  20. ^ GEISTE (2018年12月1日). “「歴史的事実は誰が書いても一緒」にはならない、たった一つの確かな理由~百田尚樹氏『日本国紀』”. ハーバー・ビジネス・オンライン. 扶桑社. 2018年12月1日閲覧。
  21. a b 呉座勇一 (2018年12月10日). “(呉座勇一の歴史家雑記)通説と思いつきの同列やめて”朝日新聞 2018年12月20日閲覧。
  22. ^ 呉座勇一 (2018年12月11日). “(呉座勇一の歴史家雑記)足利義政のイメージは本当か”朝日新聞 2018年12月20日閲覧。
  23. ^ 第二次世界大戦におけるインドシナの状況については仏印進駐第二次世界大戦下のフランス領インドシナ英語版)、明号作戦を参照。
  24. a b c 呉座勇一 (2019年1月10日). “『日本国紀』監修者・久野潤氏の反論に応える①”アゴラ 2019年2月22日閲覧。
  25. ^ ウィキペディアを指す。原文ママ
  26. ^ 百田尚樹 [@hyakutanaoki]. "2018年11月21日午前11:07のツイート"(ツイート). Retrieved 2019年2月22日 – via Twitter.
  27. ^ 八幡和郎 (2019年1月6日). “『日本国紀』をめぐる久野・呉座論争とは何か”アゴラ 2019年2月22日閲覧。
  28. ^ 百田尚樹氏『日本国紀』指摘された“皇室男系の定義”をこっそり修正”. 週刊実話. 日本ジャーナル出版 (2018年12月3日). 2018年12月7日閲覧。
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