いつも行く、家からほど近い所にあるガソリンスタンド。

東京はまだまだ暑い日が続く。

割とインドア派のオレにとっては、一日中外にいるシゴトは考えづらい。

大通りから少し左に折れて数10m走ったところにあるガソリンスタンド(GS)ではいつも、炎天下にも関わらず、シゴトを頑張っている「ガソリンスタンドのお兄ちゃん」(GSO) がいつもハイオクを満タンにしてくれる。

そして営業トークもぬかりない。

GSO「そろそろエンジンオイルが…。」

よく聞く話しだ。

オレは「そろそろ新しい車を買おうと思ってるんだ。だからいいや。」

GSO「まじっすか?何買うんすか?」

という導入で話しが弾む。

車の話しから飛び火して、時計の話しやスニーカーの事、オトコってそういうもんだ。共通する好みがあれば、とことんまで話しをしたくなる性分を持っている。

「シゴト何してんすか?」
とか、
「彼女いるんすか?」

など、野暮な話しが続くなら、それほど長居はしなかっただろう。

しかし、オトコ同士の話しは、さほど浅くも無くロマンがあった。


東京はまだ暑い。

気温34度の平日の昼間、GSOはオレが乗っている車のフロントガラスをピンク色のウエス(雑巾)でピカピカにしてくれた。

GK「そろそろ行くね。」
GSO「いやー楽しかったす♪」

浅く被ったロゴマークが入ったキャップを丁寧に外すと、年のわりに薄い髪の毛を坊主に刈り込み、頭皮から滲み出て来る汗が手に取って見えるような丸い頭を、ウエス(雑巾)で拭った。

すかさずオレは
「えっ!!それ(雑巾)で拭くの???」

GSO「はい!」

爽やかな笑顔だった。

GSO「ありがとうございやーす!」
走り去ろうとする車の運転席に座るオレに向かって、いつもと変わらず気持ちよい元気な挨拶をした。


左折して最初の赤信号で停車した。
なんだか、もっと人生を楽しく出来る気がした。




というわけでamebaブログ、お久しぶりです。