http://www.sankei.com/world/news/160704/wor1607040054-n1.html
タイトルの通り、おそらく今年最も無責任な男になるであろう政治家についてである。
上のリンクは産経新聞の英離脱問題についての記事だ。
記事の内容を簡単に説明すると英国民投票で離脱派を主導した独立党のナイジェル・ファラージ党首が、党首を辞任すると声明を出したというものである。
離脱の利点は移民・難民の移住を制限できる、EUへの負担金を支払う代わりに週当たり約480億円を国営の国民保健サービスにあてることができるといわれている。
実際イギリスは財政難で、しかも移民・難民が職を奪っていくのではないだろうかなどの懸念が同国内で広がってた。
離脱派の多数で国民選挙は幕を閉じ、このことについてポピュリズムの一種と発言している専門家も多いが、現在のイギリスの状態を見る限り、そのようには思えない。
そして離脱による問題も発生してくる。
例えば、EU内での関税がかかる、海外企業がイギリスで働きにくくなる、世界二位の金融拠点としての地位を失うなどだ。
完全に離脱の手続きを終えるのは約2年後で、それ以降は輸出産業の衰退、海外企業の撤退によるイギリス人の雇用の減少が発生する懸念があり、それらの対策を英議会は立てていかなければならない。
しかし、ファラージは「目標達成」という言葉を残して4日に辞意を表明した。
しかも国民投票前と後で変貌したEU離脱派の主張があり、その例を朝日新聞の記事から引用する。http://www.asahi.com/articles/ASJ6W5D0VJ6WUHBI026.html?iref=comtop_8_01
国民投票前
‐EUを離脱すれば負担金が浮くため、国民保健サービス(NHS)に週当たり3億5千万ポンド(約480億円)を出資できる。
‐EU離脱で移民が抑制できる。
‐EUをただちに離脱する。
国民投票後
‐「言ったことはない。政府がNHSに出資できる予算が増えるということが大事だ。」 ダンカンスミス元保守党党首
‐「確約はできないし、言った覚えもない。離脱派キャンペーンが犯した過ちの一つだ。」ファラージ
‐「私たちが求めたのはある程度の抑制だけ。EU移民がゼロになると思って離脱に投票した人は絶望するだろう。」 ハノン保守党欧州議員
‐「国民投票の主張の多くは再考する必要がある。我々の要求や行程について、内閣は熟考した上で離脱通知をするべきだ」 フォックス元国防相
離脱派キャンペーンを行った彼らの声明は、つまり離脱に投票した国民の期待に応えることができないということだ。
しかもファラージは離脱に投票した1700万人のために頑張ろうとする姿を見せることすらせず、辞意を表明。
2016年最も無責任な男に選ばれるための仕事は十分に行った。