左翼思想とは、人間は動物と同じく生まれながらに行動プログラムが規定されている、とする考え方に基ず”いている。


 この左翼思想の始祖であるJ.J.ルソーは<人間不平等起源論>のなかではっきりとこう言っている。


<動物と人間とは自然によって同等に扱われたのだから、人間がその飼いならす動物よりもよけいに自分にあたえる便宜は、そっくりそのまま人間をはっきりと堕落させる。>


 わかりやすく言えば、<人間は動物と同じように作られており、動物を人間が飼いならせばその動物の自然の本能をダメにしてしまうが、人間の場合はそれがもっとはなはだしいために、よけいにダメにされてしまっている>ということであり、もっとわかりやすくいえば、


 <人間は動物と同じく行動プログラムが規定されており、動物に対しては馴致が、人間に対してはしつけと道徳教育がその本能をはなはだしくダメにしている>ということだ。


 この、人間は動物と同じく生まれながらに行動プログラムが規定されているとする考えは、左翼思想の基盤をなすものである。


 だからこそ、左翼主義者はしつけや道徳教育はもちろんのこと、伝統文化そのものも個人に対する抑圧ととらえるのである。


 左翼がいっさいの礼儀、作法や、しつけ、道徳教育を敵視するのは、何も彼らがデタラメナ人間だからというわけでわなく、きちんとした理論的な根拠があり、彼らの思想によれば、人間にはいっさいの外部からの働きかけなどは不用であり、<そのままでいい>のである。


 うまれながらに素晴らしい存在である人間に、よけいな手をくわえてくれるな、ということだ。


 <そのままでいい> これが左翼思想の真髄である。


 事実ルソーはこの思想に基ずき、うまれたばかりの自分の5人もの子供を次々と捨ててしまった。


 動物と同じならば、つまり生まれながらに行動プログラムが規定されているのならば、放っといたって育つだろうという信念からやったことだ。


 完全な狂気の行為だが、人間は生まれながらに行動プログラムが規定されていないがゆえに、思想が狂えばそれに連動して行為も狂うということを、はからずもその思想の始祖である人間があざやかに示して見せたわけだ。



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 この狂気の思想を民族をあげて信じ込んでしまったことが、日本がおかしくなっていることの根本的な理由である。


 日本がおかしくなっていると多くの人が言う。これは暗に、日本人自体がおかしくなってきているとの意味も含まれている。たしかに一昔前の日本では見られなかっつた異常さが、日本人にみられるようになってきている。


 援助交際やら学級崩壊といったことももちろんそうだが、これは象徴的なことであって、ごくありふれたふつうの人々のふるまいの中にも、こういったことと同種の異常さがみられるようになってきていて、それが多くの人々に日本がおかしくなってきていると感じさせているのだ。


 例を挙げてみれば、どう見てもきちんとした家庭で育ったとしか思えない、洗練された装いに身を包んだうら若き女性が、道端で性的なことを野卑な口調で大声で話し、少しも恥じるところがないどころか、どこか誇らしげである、とか、どう見てもまともで善良だとしか思えない若者が、同時に年長者に対する敬意だけは完全に欠落し、目の前にいる人を不快にさせていることに少しも気つ”かない、とか、どう見てもかわいらしい小さな子供が、信じられないくらい汚らしい言葉で平気で大人に悪態をつく、といったようなことだが、例を挙げていけば、こんなことは最近数限りなく見られることだろう。

 

 いずれも、一昔前の古き良き時代にはほとんど見られなかったことである。


つまり、現代の子供、若者たち、いや、大人たちすらも、上品かと思えば下品、礼儀正しいかと思えば無礼、正常化と思えば異常、といった具合なのである。


 すなわち、めちゃくちゃな行動基準をそなえてしまっているのだ。


 そしてさらに言えば、日本人の人間性自体にも、確実に堕落の兆候がみられるようになってきている。


 かつてたしかに凛々しくて立派だった日本男児から、かつてなかった弱々しさや卑屈さがみられるようになった。


 かつてある程度の気品や優雅をそなえているのがあたりまえだった日本の女性から、かつてなかった下品さや攻撃性がみられるようになった。


 かつて大人に対する素直さと畏敬の念を誰もが持っていたはずの子供たちから、それらのものが消えうせてしまった。


 かつてそれなりの威厳と風格をそなえているのがあたりまえだった大人たちから、それらのものが消えうせてしまった。


 そしてかつてたしかにあった気高さや誇り高さといった精神性が、日本人自体から消えうせてしまった。


 当然のことだが、日本人は行為だけでなくその源になる人間性自体も悪徳に蝕まれてきており、つまり人間性においても美徳と悪徳がいりまじってしまっているという、はなはだしい無秩序状態になってしまっている。


 人間としての基準を、失ってしまっているからだ。



つつ”く・・・・



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 この日本民族無秩序化をもたらしたものこそが、左翼思想による伝統文化の破壊なのである。  


 もはやこの国は、政界、言論界から教育界にいたるまで左翼勢力に席巻されてしまっていて、すでにこの国自体が左翼思想で満たされているといっても過言ではない。


 こういった左翼全盛の国で育てば、人は必ず左翼思想に影響され、伝統を古臭い、個人の自由を抑圧するものであり、そこから逃れることが進歩的なのだと思い込むようになる。


 <礼儀、作法、そして道徳とは人間の自由なあり方を抑圧するいまわしい規矩であり、そんなものに今時こだわっているのは古臭い人間で、そんなものから逃れるのが進歩的で自由な生き方なのだ>


 <男らしさ、女らしさ、子供らしさ、大人として、といったあらゆるらしさとは、人間の自由なあり方を抑圧するいまわしい規矩であり、そんなものに今時こだわっているのは古臭い人間で、そんなものから逃れるのが進歩的で自由な生き方なのだ>


 <親や教師、そして年長者の押し付けに屈するな。現代の若者たちはそういった人々の古臭い押し付けに反発し、自由にならなければならない>


 等々・・・


これだけでなく、この種のあらゆる左翼プロパガンダに戦後数十年間この国はみたされつつ”けてきた。


 いずれも日本の伝統的価値観の崩壊をねらった左翼プロパガンダにすぎないが、この国のほとんどの人々はこれを真に受け、伝統という基準を崩壊させてしまった。


 <雨だれもついには石をうがつ>の言葉どうり、数十年にわたる反日マスコミによる大規模プロパガンダに日本人はみごとに洗脳され、最も大切なものをみずからの手で破壊してしまったのだ。


 つまり現代の日本人は、左翼プロパガンダを真に受けることによって、伝統という基準を崩壊させてしまってために、動物が本能を崩壊させてしまった時と同じ状態にみまわれてしまっているのだ。


 それが、この現代日本の救いようのない無秩序化の根本の原因である。



 日本を元気にすると、多くの人々が口にする。


 しかし、いかに日本の経済が爆発的に成長し、GDPが1000兆を超えようが、いかに日本の男子サッカーがW杯で優勝しようが、いかに日本の優れた映画が各国の権威ある映画賞を総なめにしようが、本当に日本が元気になることはない。


 この現代日本人の元気のなさとは、動物にとっての本能の代価品である伝統文化が崩壊してしまっていることによる適応不全からくる神経症、または無気力症をわずらっていることが原因であり、そういった対処療法でなんとかできるようなものではなく、根本的かつ大がかりな治療を必要とするのである。


 その治療とは当然のことながら、左翼思想を根絶し、この国に偉大なる伝統にもとずく価値観、文化を復興させることである。


 この拙文は、保守の人々なら誰でも実行しなければならないと思っていることについての、理論的裏つ”けを述べたものである。


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