日本文学全集14(河出書房新社)「南方熊楠•柳田國男•折口信夫•宮本常一」をようやく読み終えました。約3か月弱掛かりました。
途中で読むことを諦めようかと思いましたが、なかなかの読後感で挫折せず良かったです。
[追記(2015.7.13夜)]
長時間の映画を観終えた気分。民俗学の難しさのせいなのか、または自分にとって未知の分野のせいなのか?
いずれにせよ、自分には意味不明の多くの箇所を踏み越えつつ、所々に見られる美しい表現に感じ入りながら、(自分にとって)未知の事実に純粋に驚いたりして、行きつ戻りつ本書を踏破(迷走?)しました。
本書は、南方熊楠•柳田國男•折口信夫•宮本常一の4名の民俗学者(南方熊楠と折口信夫を民俗学者と言っていいのか、わたしには判断が付きかねますが。)のテキストが精選されています。
この4人の中で一番印象に残ったのが宮本常一です。
その中でも、「生活の記録」として記された女性史といってもいい一連の文章です。
わたしにとって、これまでまったく知らなかった驚きの事実が丹念な調査により克明に記述され、日本の民衆、とくに女性がいかに強く、逞しく生きてきたのか、多くのことを知ることができました。
「私はこれまで民衆のなかの女性の生きてきた姿について書いた。ふりかえってみて女性たちがいろいろ苦難の道をあるいてきつつ、その目ざすところはいつも正しかったように思う。」という締めくくりは、感動的でした。
次に、印象に残ったのは、折口信夫の「死者の書」です。
非常に難解で意味がわからないところが多々ありましたが、日本語の美しさが肌身をもって感じられる文章でした。
また、折口信夫の「古代生活に見えた恋愛」において、万葉集やそれよりも古い日本紀に載っている恋愛の歌というものがほんとうの恋愛の歌ではないという説明があり、これについてはまさに今月刊行された「口訳万葉集/百人一首/新々百人一首」(日本文学全集2)の序曲となっているのかなと思いました。
本書全体を読んでみて、日本が海洋国家であるという視点が得られたばかりでなく、民俗学の幅の広さ・奥深さを感じることができました。
そして、これにより、日本文学を読む視座が新たに加わった気がして、本書はわたしにとり意義深い一冊となりました。
次は、「吉田健一」(日本文学全集20)にチャレンジします。