こんばんは。
最近、英語の勉強やらで、読書をさぼりがちな日々でした。
そこで、何か短編でも読もうかと思い、ゴーゴリ『外套・鼻』(平井肇訳、岩波文庫)を読了しました(全体で140頁程度)。
久々のロシア文学、でも、ゴーゴリは初めてでした。
二作とも、ものすごく面白かった、そして、哀しかったです。
まず、「外套」の主人公アカーキイ・アカーキエヴィッチの人生は切なすぎます。
アカーキイ・アカーキエヴィッチは、下級官僚で、浄書のみが得意。非常に真面目な性格で、仕事も熱心。生活は貧しく、そして周りから特段の尊敬を集めるわけでもない日々。でも、彼の中では、それはそれで満足のいく毎日だったのかもしれません。
しかし、ある日、コートを新調する段になって、彼の人生が一転します。
まさにジェットコースターがカタカタと一番上まで行って、最後、ズドーンと落ちていく展開でした。
次に、ある日自分の鼻がなくなって、それを探し回る「鼻」は、まさにシュールな作品です。
主人公コワリョフの自意識過剰な性格が、非常に写実的に描かれていて滑稽。
どこか、カフカの『変身』を思い出させるものがありました。
両作品とも、組織の中の権限や名誉が人間をいかに変節させるのか、巧妙に描かれていて、ゴーゴリの現実を冷徹に見、それを表現する力はすごいなと思いました。それをまた読みやすく訳されているので、非常に良書だと思いました。
最後に、「ロシア文学のもっとも顕著なる特性は、運命と人とに辱められた不幸な零落者に対する憐憫の吐露である」と訳者による解題に示されていますが、私がロシア文学に惹かれるのはまさにこの点だったのだと気づかされました。
やはり読書はいいですね。