최은영 「601, 602」(『내게 무해한 사람』수록)

チェ・ウニョン 「601, 602」(『わたしに無害なひと』収録)

 

 

「그 여름(あの夏)」に続いては印象的なタイトルの2作目「601, 602」

 

15ページの短い作品で、昨夜寝る前に一気に読んでしまいました。

読み終えてタイトルに「そういうことか」と納得。

 

一気に読んだのはもちろん先が気になったからでもありますが、家族の中で恒常的に行われる弱い者いじめ、暴力の描写が不快で早く読み終えてしまいたかったというのもあります。

 

ソウルに住むことは叶わず、ソウルに隣接するベッドタウン광명(光明)市の公団住宅に家族と住むことになった主人公の女の子。

隣に住む同い年のヒョジンと仲良しになるけれどヒョジンの兄さんが大の苦手。

 

경상북도(慶尚北道)の칠곡(漆谷)からソウルに来ているヒョジン一家はヒョジンを除き、皆、慶尚道訛りで話し、母親は圧倒的な長男偏重。

 

ヒョジンの置かれた過酷な世界、共働きで子供は娘一人だけという主人公の母の肩身の狭さ…

これが本当に80年代に生まれた人たちの話なのかと時代錯誤の極みのようで、読後少々おさまりが悪かったです。

 

この感じ、『82년생 김지영(82年生まれ、キムジヨン)』の読後にもあったなぁ。

まぁ小説だし、当然地域差や個人差はあるのでしょうが…

 

2019年にチェ・ウニョンさんが来日した際のトークイベントで自身がフェミニスト作家であると話されていて、当時『ショウコの微笑』しか読んでいなかった私はそうかなぁ???と思ったものでしたが、こういう作品を読むと、確かに。。。と思います。

 

チェ・ウニョンさんの作品の中では、こういう作品より”男のいない女たち”とでも言ったらよいのか、男性が介在しない女性(姉妹、母娘、親友などなど)の物語の方が好きみたいです。

 

ちなみに物語に登場する광명(光明)市はソウルの南西に位置し、九老(キム・ヨンスさんの短編に出てきたなぁ)なんかからはかなり近いのですね!

鉱山の名残を観光地化したテーマパークなどが見どころのようです。

 

#韓国語の本