●人類の歴史に記録された(直感)


サミュエル:フングホーン・クレメンズに限らず'人類の歴史においては非凡な才能を持つ人たちがつねに存在し、社会に大きな影響力をおよぼしてきました。


今日も、わたしを含む超能力者たちがその生きた証明になっています。


神のお告げ古代ギリシャでは危機に見舞われたとき、権力者は神の託宣を行う「オラクル」と呼ばれる人たちの言葉に耳を傾けました。


しかし、オラクルの能力は誰でも同じと考えられていたわけではありません。


紀元前五六〇~五四六年にリディアの王だったクロイソスは、どのオラクルに相談するかを決めるためへ数多くの試験を重ねたと言われています。


隣国に戦争を仕掛けようとしていたクロイソスは'戦争の結末を知りたがっていました。


歴史家ヘロドトスによれば、クロイソスは'当時信頼を集めていた七人のオラクルに使いを送り、「(使いの者がリディアから出発して百日目に)リディアの王はなにをしているか?」という問いを投げかけたということです。


このとき、使いの者はだれひとりとして、クロイソスの予定を知らされていませんでした。


使いの者たちは七人のオラクルの答えをそれぞれ持ち帰りました。

もっとも正解に近い答えを出したのはアンフィアラウスのオラクルでしたが、完全な内容とは言えませんでした。


しかし、デルファイにいるアポロのオラクルは'質問を耳にする前に、「イチゴの葉をかみ、火山のガスを吸う」という詩の一節のような言葉を発していたそうです。


さらにそのオラクルはこう続けました----「火にくべられた'亀の甲羅のにおいがする。

鍋には羊肉も入っている。


青銅の容器とふたが用いられている」と。


指定された日'王は'青銅の容器で亀と羊のシチューを作っていました。


常識的な感覚なら、王がよもやこんなことをしているとは夢にも思

わないでしょう。


クロイソスは信用できるオラクルが見つかったと確信し、戦争の計画について尋ねました。


「大きな軍隊が討ち滅ぼされる」と告げるオラクルの言葉を耳にして'王は非常に溝足しました。


しかし、どちらの軍が負けるのかを聞くのを忘れていたのです。


のちにそのお告げは'王の軍隊の敗北を意味していたことが明らかになりました。


神のお告げが下りなかった例もあります。


ソクラテスは異端の罪で裁判にかけられていたとき'いつも自分を導いていた声が聞こえてこなかったといいます。


そのとき、彼は声を張り上げて次のように述べました。


「この事実をどう説明したらいいのか?


まさに'わたしが正しかったことの証といえる。


いつもなら、まずい方向に足を踏み出せば間違いなく天が知らせてくれていただろう。


終わりが迫っているのは偶然ではない。


わたしには'死んで自由になるのはよいことだとはっきりわかる。


だからこそ、オラクルは合図をひとつもくれなかったのだ」ソクラテスはそう言うと'自らすすんで毒を口にしました。


彼は'死刑の判決は人間界を超越したところから下されていると確信していたのでした。


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