第1章 (直感)とは


わたしたちはふだんの暮らしのなかで、もっぱら視覚、聴覚'喚覚、味覚'触覚の五感を用いていますが'それらの感覚は大きな制約を受けています。


いわば、宇宙の隙間をちょっとだけのぞいて'情報を得ているようなものです。


でも,情報を取り出すための隙間がもっと大きかったらどうでしょう。


人間が視覚などを超えた別の感覚、すなわち(直感)を用いることができたら、どんな可能性が待ち受けているのでしょうか。


これからそれをお話ししたいと思います。


世界には昔から'「第二のビジョン」や「第三の月」.などといった能力を持つ人がいることが知られています。


それは心が持っている力で'通常の感覚を超えた健界へと飛び立てるもののようです。


この能力を持つのは限られた人だけでなく、ときには'平凡な人が通常では説明のつかない超自然的瞬間を体験することもあります。


近い将来には'人間は「第七感」を獲得できるという人さえいます。


研究者は無数の超自然的体験を、千里眼や透視、未来予知、過去知(過去の出来事を見通す力)などの言葉で分類しています。


これから紹介するように'透視・予知の実験や体験はずいぶん昔か

ら報告され'研究もたくさん行われていますが'今日にいたってもすべてを解明することはできていません。


教師という仕事をしているこのわたしも、時間の向こう側を見る力を授かったひとりです。


一九七六年のはじめ、わたしは現在と数万年前の過去を行き来するという、常識では考えられないような経験をしました。


おそらく幽体となって旅をしたと思うのですが、まるで自分が現実にその場にいるような感じでした。


おびただしい数の阻石が地球に直撃するのを目撃し、'気温が刻々と変わっていくのを肌で感じ'生き物が生存の危機に瀕しているのを目の当たりにしました。


この旅で、わたしは気象変動から逃れるのはなまやさしいことではないと思い知ったのです。


一部の超心理学者は'わたしの体験は過去知と未来予知が同時に起きた結果だと解釈しています。


誰も知らない過去を目撃しただけでなく、そう遠くない未来をも同時に体験したと言うのです。


このような出来事は、わたしにだけでなく、過去にも'数多-起きている現象のようです。


次にその例をご紹介しましょう。