●複数の超能力者による共同捜査

その後、英国北部のヨークシャーで起きた連続殺人事件は'わたしを含め複数の超能力者たちが犯人解明に取り-組んだ例です。

１９７５年から五年のあいだに、十三人の女性が惨殺されました。

犯人は数日間のうちに数人の女性を殺害し、ハンマーで頭部を損傷して遺体をばらばらに切断したあとへ何か月も行方をくらましてしまう、ということがくり返されていました。

長期にわたる犯人追跡のなかで'超能力者の提供する情報はかなり錯綜していました。

たとえば、ドリス・ストークスという千里眼を持つ女性は、殺人者の声と思われる録音を開いたあとで'犯人の詳細な情報を口にしたのですが'それによると「身長173センチメートル、名はロミエまたはジョニー、姓はMから始まり、タインアンドウィア州に住んでいる」「左目の下に傷跡があり、動揺するとぴくぴく脈打つ」とのことでした。

またストークスは犯人の母親とテレパシーで会話をし、息子は離婚していることを聞き出したとも言っています。

先に紹介したクロワゼットも捜査に加わりました。

犯人の存在を感知したあとで彼は、ストークスが提供した犯人の特徴は正しいと言いました。

そしてさらに、「髪は首まで伸びているがちゃんと手入れしている。

ひざを怪我しているので歩行は困難。

同州のサンダーランド市中心部に住んでいる」と言い添えました。

十九歳のとき、ロンドン警察にあてて書いた手紙

英国ヨークシャーで起きた連続殺人事件について、犯人の素性をロンドン警察に知らせた手紙。

2年後に逮捕された犯人の名前、住所、職業などを言い当てている。

1979年1月16日

ロンドン警察の方へ

夢のなかで、ある人物が大勢の若い女性を殺害するのを見ました

。

男の名前はピーター・サトクリフ。

クラ-ク運輸という会社でトラックの運転手をしていて、英国ブラッドフォードのガ-デン通り六番地に住んでいます。

この男は1980年に逮捕されるでしょう(※)。

予知が誤りであることを願っています。

※サトクリフが実際に逮捕されたのは1981年1月2日だった。

また'ケント州のネラ・ジョーンズによれば'犯人は女装趣味があるということでした。

一九七九年十月と翌年一月、彼女は新聞記者に多くの予知情報を伝え、「犯人の名前はピーターだ」と言いました。

そして、

「職業はトラック運転手」
「勤務している会社の名前はCで始まる」
「住所はヨークシャーのブラッドフォード六番地」

と付け加えました。

わたしもこの事件については一九七九年、ロンドン警察に手紙を送っています(手紙の画像を参照)。

ほかにも超能力者たちから

「身長は平均的」
「髪は黒い」

「黒いコートに白いRNという文字が見える」

「バーンズリー市またはシェフイールド市に住んでいる」

「洗濯機の修理屋をしている」

など、数多くの情報が提供されました。

そして1981年１月、犯人はついに逮捕されました。

名前はピーター・サトクリフ、クラーク運輸という会社でトラック運転手をしていて'住所はブラッドフォードのガーデン通り六番地でした。

ジョーンズの情報はいくつか誤りがありましたが、超能力者が提供した情報のなかでは驚くほど正確だったと言っていいでしょう。

わたしの手紙の記述もほとんど事実と確認されましたが'わたし個人は十五歳のときと同じく、当時は表に出ないことにしていました。

ロサンゼルス警察は1九七九年に、「超能力者が重要犯罪の解決に明白に貢献したことはいっさいない」と結論づけていますが'じつは本当に証明されているのほう超能力者が関与することにはタブー視や恐れ、差別心があるということなのです。

しかし、港間から注目を浴び、どうしても解決しなければならない圧力がかかったとき、警察は超能力者のアドバイスに耳を傾けるようになります。

超能力者の提供する情報は'とても有益で驚くほど正確なときがあるのですから、警察がなすべきことは'数多くの情報のなかから正しいものを選り分けることにほかならないのです。

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