第1章　予言は生き物

第1章は、ガイドです。

書いているのは

サンドラ・マイア・フアリアス・ヴァスコンセロス

さんです。

フランスのナント大学で理科教育博士号取得。
現在セアラ州連邦大学言語学教授。
健康、人間関係、言語に関する数冊の著作がある。
ホスピス全国ネットワークと医療人権委員会のメンバー。

第1章　予言は生き物

最初の衝撃　

二〇〇五年九月のある日,私の自宅の居間に'ジユセリーノ氏の話を聞-ため、医師、弁護士、ジャーナリストなど十七人ほどの人が集まっていました。

その会談の場で、ジユセリーノ氏は非常に興味深い予言をされました。

「--来年のワールドカップは'イタリアが優勝します!」　

この内容については、当日付の予言として、私たち全員が証人となります。

翌月に、ジユセリーノ氏は'同大会の四位までの順位と'ベスト・エイトまでの対戦スコアの詳細を手紙にして'ブラジル・サッカー連盟に速力ました(第二部文書30参照)。

もちろん、翌年の二〇〇六年ワールドカップは'すべてその予言どおりの試合運びで決着したのです。

なんとPK戦の点数まで一致しているではありませんか!

さらに驚くべきは、このときサッカー連盟に送った手紙には'二〇一〇年のワールドカップの順位まで書かれていたのです。

そのころジユセリーノ氏に「予言集Ⅱ」の編纂を依頼され、簡単に引き受けてしまい、やり出してみたのですが、多くの困難に直面していました。

日ごろは、雑誌の編集や科学論文の整理などをやっているのですが'今回の予言集の仕事は'それらとまったく異なっており、パソコンを使うというより、ノートと消しゴムの世界に戻ってしまいました。

予言は「生き物」だったからです。

日時の経過によって、〝警告″として存在していたものが、今度はク事実〟としての調査に変わるのです。

さらに資料がどんどん追加されると、件数が増えるとともに、誰にどの予知文書が送付されていたかなど、調査内容も複雑になっていきます。

事前に公表すると危険な場合もあれば、その人の立場上、事後の確認が困難な場合もあ-ます。

予言は生きており、関係者の生死を支配しているといっても過言ではなく'それでいて当事者は、意外にそれを無視したり'拒否をしたりするという事実はい,ったいどう説明すればいいのか戸惑います。