Galleの役所でK先生とその学生と待ち合わせて、仮設住宅担当課に向かう。Galle周辺の住宅の全壊、半壊件数のデータ、およびGalle周辺のGIS地図データを入手することが目的だが、閲覧させてくれるのか半信半疑のまま、話を進めていく。Galle県内の市町およびさらにその下の区単位でこれらのデータが入手できることとなった。紹介されるまま、Galle県知事にもお会いする。やはり、上に立つ人は品格があるなあと実感する。

ぎりぎりの時間まで付き添った後、K先生と別れて、役所の車でMataraまで送ってもらう。現場事務所では、まずP所長に挨拶すると、よく来てくれたと出前(カレー)をとってもらい、お互いに食事をしながら、Mataraの近況を聞く。4週間前に数日(5/3-5)滞在しただけなのだが、現地職員の人らも覚えていてくれて歓迎される。やっぱり、ここの雰囲気はいいなあと思う。

現場職員L君の案内で、現場の確認をする。Mataraでは、ほとんどの場合被災者の所有地に一戸ずつ建てている。しかしながら、海岸線より100m圏内の建築規制がかかっている場所に住んでいた住民や、敷地が狭くて仮設を建てると恒久住宅を建てられない住民のために、寺院の境内に建てている現場(写真)があり、そこの進行具合を見る。ところどころ、柱がなかったり、床の仕上げが粗末であったり(体重をかけるとひびが入る)、かなりひどいため、L君に通訳してもらいながら下請け業者に注意する。どうも図面が読めないらしく、ため息が出る。担当の技術職員R(注:R親方とは別人)は何をしてきたのか、不信感がつのる。

Mataraの役所で担当課のW氏に、頼まれていた集会所の図面を渡す。「建てたいんだけど、予算がなくてねぇ」とW氏。それって、うちで建ててほしいってことですか?と確認しそうになってやめる。「そうしてくれるかなぁ」って言われるのは目にみえているので、上の人ら同士の会合時の案件になるまで保留しておく。役所では、以前、お会いした韓国人設計士のP氏にも再会した。明日から、Colomboに来られるとのことで、こちらの連絡先を渡す。

現場事務所に戻り、P所長に現場の不具合を報告すると、心を痛めておられた。Matara事務所は地元業者とうまく仕事をこなしてきていたのに、Colombo事務所のある人物が紹介した業者と技術職員Rが原因でこのようなことになり、自分としても残念である。Colomboに戻って対策を練ることを約束した。

一泊してから帰ろうか迷ったが、明後日からCチーフが休暇に入るので、今日中にColomboに戻ることにする。夜8時発の路線バスでMataraからColomboまで帰る。猛スピードで走るため、よく揺れる。そのたびに窓に頭をぶつけて目が覚めては、寝ての繰り返し。3時間半ほどで家に着いた。長い一日だった。