現場事務所の朝は早い(当たり前か)。Colombo事務所では、8時半ぐらいから動き出すが、ここでは、7時半開始。まず、排水溝がうまく機能していない避難所に赴き、解決策を求められる。汚水の臭いについて、近隣から苦情が出ているため、汚水タンクを追加し開口部をふさぐことで、臭気が漏れないように工夫する。すでに、現地職員と業者の間である程度の案ができあがっていたので、実際には、その案にGOサインを出しただけだが。。。。

1時間ほど西に走り、別の避難所にて、1,000リットルの給水タンクを支える高さ8フィートほど給水塔の設計を頼まれる。別の場所に同様な給水塔があったので、それを模倣してGIパイプを使った簡単な図面にする。水圧の関係で、ある程度高くする必要があったので、P師匠に電話で確認する。高さは問題ないが、地面への設置方法を検討するようにと助言される。その他に、木造平屋の避難所玄関部分の屋根を支える梁が雨漏りのため朽ちていたので、写真を撮り、Colomboに戻って検討することにする。

Matara中心部に戻り、昨日もらった図面の敷地に向かい、その案が妥当かどうか検討する。今回、600㎡ほどの細長い敷地である。既存の廃墟と化した住宅が残っており、屋根と床の補修で使えそうなので、その家を中心に仮設住宅を配置する案に概ね賛成する。

その後、昨日の続きで、竣工した仮設住宅をいくつか回る。被災者の庭先に建てられるため、敷地にあうため工事の段階でプランが若干変更されているものが多く、見ているとその工夫が興味深い。しかしながら、倒壊した自宅の横で暮らすのはどんな気分であろうか(写真)。すでに、住民により色が塗られたり、ベランダ部分が増築されたりしている。トイレは汲み取り式のため、もともと家の外に作られているものが多く、住民はそれらを利用している。津波の被害を見ていると、トイレや浴室、台所など壁で囲われた比較的小さな空間は、残存している場合が多い。

隣人が自分の既存の家を見てほしいと連れていかれる。いろいろ説明してくれるが、シンハラ語なので、切に困っている様子であること以外はわからない。どうやら、津波被害の倒壊診断により半壊か全壊の認定を受けたいという趣旨であった。現地事務所で手続きをするように伝える。

また別の避難所に行き、業者がつくった入口ゲートの門扉の完成具合をチェックする。これまで、入り口には、24時間、軍隊が数人常駐していたが、近々、軍隊が引き払うということで、門扉をつくることになったらしい。私がこれまで訪れた避難所には、すべて周囲に策が施され、ゲートには軍官もしくは警官が常駐している。避難者の身を不審者から守るためとのことである。

現場事務所に戻り、資料や片付けをする。慣れたとはいえ、夕方近くに停電になると、凹む。現場事務所はのんびりしててええよ、と誰かが言っていたがそんなことはない。確かに、職員の人らは気さくだが、仕事は山積みである。

Beach Innに戻り、浜辺でくつろいでいると、NGO活動で滞在しているアメリカ人Hさんに会う。カリフォルニア出身ということで、少し話をしていると、私が1年近く住んでいたLong Beachの隣町Seal Beach出身ということが判明し、「あそこのレストランが旨いよね~」など、とてもローカルな話になる。What a small world!である。

今日は一日、雨が降ったり止んだりで、どうやら雨季に入った模様。