girlfriend1995
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プロローグ

僕と彼女は中学校の同級生だった。

都心から30kmほどの郊外の新興住宅地の、創立して未だ数年の公立中学校だった。

主として付近の小学校3校から生徒が集まるのだが、入学した1年生のそのクラスで、僕と彼女だけが、

その3校ではない小学校の出身、つまり、春休みに引っ越してきた人、であった。

そんな事情もあって、僕は勝手に彼女に親近感を覚えていた。

といっても、彼女は隣町から越してきた「この地域の人」であり、

僕は、東京のTV放送は視聴できない、まったく違う地方の田舎の小学校からやって来たのだった。



当時、彼女は眼鏡を掛けていた。

田舎の小学校から来た僕には、それだけでもう「うわ、都会的」と新鮮に映った。

田舎の小学校には眼鏡を掛けるようなインテリ肌はいなかったのだ。


第二次性徴が始まったばかりの少年のウブな片思いである。

5月か6月には彼女のことを好きだと自覚していたが、何事もなく1年が過ぎた。

いや、体育際のフォークダンスで手が触れたらそれはもう個人的には大事件だったり、

席替えで近くの席になったときの教室内の位置関係なども、四半世紀過ぎた今でもハッキリ覚えている。

ともかく、2年生の4月のクラス替えで、別々のクラスになった。

隣のクラスなので、全校集会があったりして並ぶと、ちょっと顔を横に向けると彼女を見ることができた。

でも、晩生な彼女はどんどん背が高くなっていき、中1のときには前から4番目ぐらいだったのが、

中2では真ん中へん、中3では後ろのほうになっていて、真ん中で止まっていた僕は、

中3になると、後ろを振り返らないと、集会中に彼女を見ることは出来なかった。

教室も隣だから、廊下で見かけることも、他のクラスに比べれば多かった。


3年に進級するときはクラス替えがなかった。

ただ、部活とは別に全員加入の「クラブ」という時間が正規の授業時間内にあり、

3年次にそこで選んだ「読書クラブ」が偶然彼女と一緒だった。

彼女は部長か何かで、参加者の出席を取っていた。

名前を呼ばれてドキドキしたことを覚えている。


でもそれだけである。


そして中学校卒業を迎え、僕は、住んでいた学区でもっとも古い、戦前には旧制中学だった高校に、

彼女は隣の街の、これまた戦前には旧制女学校だった公立の女子高に、入学した。


高校入学後はそれこそ、電車で年に1回見かけるか見かけないかぐらい。

もちろん、声など掛けられない。中1から一度も口を聞いていない他人である。

高校2年になると、僕は同じ高校の別の女子生徒を好きになったりしていた。

でも、お互い自宅の最寄り駅は同じだから、高校の帰りに偶然駅で一緒になり、階段を上る彼女の、

群青色のブレザーの制服の後姿などは、鮮明に脳裏に残っている。


高校を卒業したあと、彼女が都内の短期大学に入学したらしい、ということを、僕は自分の母親から聞いた。

僕は一浪を経て、これまた都内の私立大学に入学するのだが、このころになると、僕の中で彼女は完全に過去の人だった。

街の中心の駅の改札で、恐らくは彼氏であろう男性と一緒にいる彼女を見かけたこともあった。

彼女の美しさゆえに、映像は鮮明に覚えているのだが、だからといって、そのときに特別な感懐が湧いたり、

行動を起こしたりした訳ではなかった。

既に大学生であり、僕は僕で別の彼女が出来たりしていたし。


そして、1995年の1月を迎えた。

僕は就職先も決まり、卒業を控えた大学4年生だった。

はじめに

このブログは一風変わっています。


僕が15年前に別れた彼女に再会することを目的としています。


僕は37歳の男性会社員です。

妻も子もいます。

現在の生活を壊すつもりはありません。

彼女にも現在の生活があるでしょう。

それを壊すつもりは毛頭ありません。


ただ、どうしても彼女に会って話したいことがあります。

でもコンタクトの手段がありません。


実家の住所や電話番号は、調べれば分からなくもないです。

ていうか実家の住所はいまだに諳んじています。

でも親御さんに迷惑が掛かります。

そんなオオゴトにしたくないのです。

親御さんを経ることで彼女には何も届かず自分の悪印象だけ残る、というのは最悪のパターンだと思います。

それは避けたいのです。


僕はこのブログに、彼女と交際していた期間に、二人の間に起きたことを、なるべく具体的に、記していきます。

二人にしか分からない「こんなことあったね。」を並べていきます。

そしていつの日か彼女がここを見て「あ、私のことだ。」と思って、僕に連絡を送って欲しい、と願っています。

ただ、先にも書いた通り、お互いの今の生活は壊したくありません。

だから他人が見て個人の特定につながるような、固有名詞は全く使わないつもりです。

ただ普通名詞のみを使って、でも細部まで書き込むことで、ストーリーに具体性、を持たせたいです。

「これは私のことだ」という説得性を持たせたいと考えています。


普通名詞だけを使って描く、超ディテイル。

なんだか昔の片岡義男の小説の文体にも似た試みは、何せ初めてのことでやってみなければわかりません。少しずつ、くどいようですが、今の生活を壊さない範囲で、書いて行きたいです。