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仕事帰り、久々に講演会へと出かけてきました。
今回は、東京大学で脳の“海馬”を研究している池谷祐二さんのお話。

究極的には、脳の病気を予防するための薬が作りたいのだそうですが、
そのためにはまず脳の仕組みを知らなければ、、、ということで、
いろいろ研究されてるそうです。

途中、疲れがきて少々睡眠学習してしまいましたが、とっても面白い内容で ♪

● 脳は足りない情報を勝手に補って活動している。
  我々が“真実”と思っている世界も、じつは“脳が勝手に作り出している”部分が多い。
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 たとえば、実際に眼で細かくキャッチ出来ている色の情報は、ごく一部の領域である。
 しかし脳は、過去の記憶を拠り所に、すべての視野を勝手に色付けてしまう。
 そして、脳がそんな作業をしていることを、我々は自分で気が付くことが出来ない。

● 海馬には、入ってきた情報を取捨選択し、必要なものだけ記憶に残す働きがある。
 また、脳の活動を活発にしているのは、海馬周辺から出る“シータ波”という脳波だった。
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“シータ波”は外界に強く興味を持っているときに発生しやすい脳波だが、
その一方で、慣れを感じてしまうと発生が抑えられる傾向あり。
人はどうしても、“マンネリ化”することが避けられない。それは、行動を迅速化するために
必要な側面はある一方、脳の活性化にとっては“敵”である。歳と共に頭の回転が鈍くなる、、、
とも言われるのは、単に“マンネリ化”が進んでしまっていることが原因。
ネズミの実験では、新しい場所を探検している時に、“シータ波”がよく出ていた。

●アイディアがひらめくことと、集中力を出すこととは、トレードオフの関係にある。

● 単語暗記試験で分析したところ、正解出来るかどうかを決めていたのは、
  質問する1秒くらい前の脳の状態であった。
                       ⇒ 「お前はすでにわからない!」

● 実験によれば、我々は「自由意志」というものを持っていないことがわかった。
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意思と行動は、脳の中のランダムな電流のゆらぎにより生じていた。
しかし、先に現れた意思が、これからやろうとしている行動を止めるのは可能。
色んなやりたい行動を思い付いては、状況に応じ適宜「自由否定」しているというのが、
我々が行っている思考パターンだそうだ。

● 正確に記憶することは、将来的にあまり意味あることではない。
  曖昧に記憶できるからこそ、人は優れた能力を発揮出来る。
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 百舌(モズ)という鳥は、エサを木の枝に刺しておいて後から食べる習性[はやにえ]がある。
 一般に、鳥はかなりの記憶力を持つことがわかっているが、百舌はエサを置いた場所が
しばしばわからなくなってしまう。忘れるからではなく、記憶が正確すぎるためわからなくなるのだ。
たとえば、近くの葉っぱが落ちてしまっただけで、前とは違う風景だと認識してしまい・・・

などなど。


ほとんど予備知識もなく出かけていってみましたが、“脳”の話はとても興味深く感じました。
良くも悪くも、自分も相当に思い込みしながら日々過ごしているんだろうなぁ、とも思ったり(^^;
その帰り、さっそく写真のような本を買いまして、今も読んでいるところです。