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出勤途中、ホームレスの男の人が行き交う人混みの中で、
地べたに座り大事そうにボロボロになった一枚の写真を見つめていた。
この人にも家族があったんだ・・・
と何だか切なくなった。
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GWに元町商店街を歩いていると小さな古書店を見つけました。
特にめぼしいものはなく店を出ようとした時、
ふと目に止まったのが藤原伊織・シリウスの道でした。
値段を見ると400円。
安い!
シリウスの道は文書本しか持っていなかったので迷わずレジカウンターへ。
藤原伊織は大好きな作家の一人だ。
俺の記憶では過去に江戸川乱歩賞と直木賞を同時に受賞したのは藤原伊織以外にいない。
それだけに若くしてこの世を去ってしまったのが残念でならない。
シリウスの道
藤原伊織作品の中では地味ではあるけれど、
読み応えという点では個人的にシリウスの道だと思う。
大手広告代理店に勤務する主人公が電機メーカーの広告宣伝を勝ち取ろうとするストーリーと共に、
25年前に封印した秘密をめぐって幼なじみと再会するストーリーが並行していくのだけれど、
職業小説としての面白さが特筆もので、
代理店同士の熾烈な争いと社内での対立勢力との駆け引きなどがスリリングに展開されていく・・・。
藤原伊織は他にも『ひまわりの祝祭』『テロリストのパラソル』『てのひらの闇』『名残り火』『雪が降る』等々面白い作品が沢山あるので気になった方は読んでみては如何でしょうか?
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