ジオン公国は、アニメ『機動戦士ガンダム』シリーズにて登場する架空の国家。

ジオンは地球周回軌道上で、地球からは最も遠い月の裏側に位置するサイド3に本拠を置くスペースコロニー国家。

ジオンの総人口は1億5000万で、100億を超える地球圏の総人口の大半が連邦に帰属する中では(月面都市群やサイド6等の中立地域の存在を考慮しても)圧倒的に不利な状況にあり、国力も地球連邦の30分の1以下であるとされる。

ジオン公国の歴史は宇宙世紀0050年代、宇宙移民者(スペースノイド)たちの間に、被抑圧者階級としての自覚が高まってきていた。新たなフロンティア開拓の美名のもと、人々(=労働者)は宇宙で暮らし始めたが、“地球環境保全のため人類の生活圏を宇宙にシフトさせる”という理念は結果的に破られた。第1期移民が完了した時点で、移民はストップしてしまう。


このような状況の中、地球を自然のままそっとしておくべきとする「地球聖地論(エレズム)」と、宇宙生活で独特の視野を得た宇宙生活者の自治権確立をうたう「コントリズム」を融合した思想(後の「ジオニズム」)を唱えて、ジオン・ズム・ダイクン(シャア・アズナブルとセイラ・マスの父親である)がサイド3にて政治活動を始める。やがてその運動はサイド3全域に広がり、宇宙世紀0058年に単独での自給自足が可能となった時点でジオン共和国の成立が宣言され、同時にジオン国防隊(国軍の前身)を設立させた。

宇宙世紀0068年、ジオン・ダイクンが死去。一説ではザビ一派に暗殺されたとされる。ダイクンの死後、共和国は彼の側近であったデギン・ソド・ザビが引き継ぐことになった。デギンはそれまでのダイクンのやり方を一変させ、武力闘争による独立を目指すべくダイクン派を一掃し、ザビ家による独裁体制を敷き、共和制から君主制に移行して自らは「公王」に即位した。革命の英雄ジオン・ズム・ダイクンを否定しているというマイナスイメージを避けるため、国号自体は変えずにジオン公国とした。

その後ジオンは宇宙世紀0079年1月3日に地球連邦政府に対して、完全な独立を求めて宣戦布告するが宇宙世紀0079年12月31日18:00、サイド6を通じて連邦政府に休戦を申し入れた。