1年生のための教育プログラムに、動物との接し方を教えてくれる「動物教室」というのがある。
一時の感情で、ペットを飼い始めたもののすぐに世話をしなくなり、無責任に放置したり、処分したりするケースが増えているという。
子供たちに、動物との接し方や可愛がり方に加え、世話の仕方など継続して面倒を見る責任があることを考える機会を作る・・・という点で、このプログラムは、大切だと思う。
ゲストティーチャーの方々が、クラスに一頭ずつになるように犬を連れて来てくれた。
動物アレルギーのある子についてはあらかじめ配慮し、ふれあいを大切にしたプログラムになっていた。
ところで、このプログラムの始めに、子供たちの雰囲気を和ませるために、司会のお姉さんが、
「1年生のみんなは、どんな動物を知っていますか?知っている子は、手を挙げて?」
と問いかけた。子供たちに知っている動物名を言わせて、前のホワイトボードに書いていき、野生動物とペットとに仲間わけしようという意図だったようだった。
「犬」「ネコ」「ウサギ」など可愛らしい動物の名前がどんどん出てくるんだろうな・・・と、体育館のうしろでながめていた。
ちょっと少なめだったが、手が挙がったので、お姉さんがそのうちのひとりを指名した。
「キリン」
けっこう大きいのから出てきたな・・・と思ったが、動物園で見たんだろう・・・。次の子は?
「ギリシャリクガメ」
と女の子がこたえた。
司会のお姉さんが一度では聞き取れなかった。しかし、何とかホワイトボードにメモした。
ただの「カメ」ではなく、「ギリシャリクガメ」?
まぁ、中には、カメの好きな子もいるだろう。次の子は?
「ボルネオゾウ」
「ボルネオ???」
さすがにお姉さんも聞き返した。ホワイトボードには、「ボルネオ」としかメモされなかった。
体育館にいた大人の間に何とも言えない空気が!
「この子たちは、このプログラムに何を求めているのだ!?」
固唾を呑んで、次の子がどんなマニアックな動物名をいうのか?
すると、
「パンダ」
次の子からは、
「ハムスター」
「ウサギ」
・・・・・・。
可愛らしい動物が続き、その後は、何事もなかったかのように、プログラムが進んだ。
ひとりひとり、ふれあい、散歩もさせてもらい、一年生は全員満足感いっぱいの表情だった。
良い教育プログラムだった。
