みなさま こんばんは
ハッピーホーム銀翼の森、看板犬のランです

暖かいところを見つけて潜り込んでます

ああいう方を、まさしく紳士というのだろうと忘れられない方がいます
有料老人ホームに2部屋を用意され、奥様とお隣どうし
奥様はそれなりに認知症が進まれていてホームでのお暮らし
ご自身は、ご自宅とホームを行き来し、ホームに泊まられるのは週に3日、泊まらない日にはお昼にホームに戻って奥様と一緒に昼食という過ごし方
運転手さん付きの自家用車でご自分が会長をされている会社に出勤されていました
十代で家業を継がれ、大会社に育てられた方だと後に新聞で知りました
すらりとお背が高く、90代後半とは思えないくらい姿勢が良く、銀細工の鷲の頭がついたステッキをついて少し足を引かれているものの、スーツを着た立ち姿と穏やかな笑顔が印象的でした
泊まる夜は奥様の部屋で、奥様が寝付くまでベッドの横に椅子を置いてブランデーを片手に読書
ご自宅ではお子様方がおかずを運ばれるけれど、基本的にご自身で自炊 お得意料理はトンカツと伺いました
ホームのダイニング入り口の洗面所では、食事前に必ず丁寧に手を洗われ、手を拭くのに使うペーパータオルは一枚だけ、大きな両手を丁寧に綺麗に拭いて、ゴミ箱にそっと入れられる様子を思い出します
バサバサと二枚位取ってざっと拭く方が多かった中、スタッフがご遠慮なくお使いくださいと追加で差し出したペーパータオルを「一枚で十分ですよ。ありがとう。」と言われて…
こんなこともありました
お昼にホームに戻られるのをスタッフがすっかり忘れて、お食事の出し忘れ!
その頃 勤めていたホームでは、ちょっと食事が出てくるのが遅いだけで「ずいぶん待たせるわね!」等と言われるのが日常茶飯事だった中、「大変遅くなり、申し訳ございません」と恐る恐る食事を運んでいったスタッフに「手をかけて作っていてくださっていたんでしょう。ありがとう。さあいただきましょう。」と言ってくださって…
人間としての余裕というか、まさしくああいう方を紳士というのだろうなと、なぜかふと懐かしく思い出しました。
高齢者支援の仕事をしてきて、本当に素敵な人生の先輩に出会わせていただけたことに感謝です
明日も良い一日になりますように


