2004年 江國香織

所要時間:約2時間


おそらくここ1年程の間に入荷されたよう、大学付属図書館での貸し出しは2人目。

持ち出さずに読み終える人が多いのか、大学生が読む本ではないのか・・・まあ、映画化前後に完読しているのか。


簡単に言えばぐるっと回って戻ってくる系。主人公に関してはオタクオタクというけど、まあオタクである以外大した特徴のない兄弟。姉妹の方も話し方が瓜二つだったのが急激に変わるあたりは、かなり戸惑った。ちゃんと道筋立てずに書いてたんじゃねえか、とさえ思ってしまった。んなこたないだろうけど。

全体通して流れる雰囲気は安穏としていて気楽。逆にいえば浮気ネタでハラハラ・・・なんてことも期待できない。それが良いぞな、と思うこともあるだろうが。



どうにも登場人物の個性が掴めない。年齢や容姿の説明もイメージしづらい、他の本にない個性的な設定という意味なのかもしれないが。町ですれ違った誰かという程度の印象しか残らない。


ただあれだけキモチワルイ兄弟をしてこの普通さは、読んでいる感覚もネットで誰かと袖が触れあう感覚に酷似していて、04年の段階で今の感覚を先取りしていると考えると、先見の明どころではないと思う。当時のことはよくわからないが。


結論的には、初っぱの感想文には向いていなかったが、ネットを思い起こさせる作品だった。